こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
夏真っ盛り、久しぶりに実家に帰省している方も多いのではないでしょうか。
お盆の時期は、家族みんなで集まることができる数少ない機会です。
このタイミングで、将来の家族のこと・会社のことを話し合う時間を取ってみてはいかがでしょうか。
相続・事業承継は避けてて通ることができない
家族のこと・会社のことについて話し合う時間を取りましょうというのは、私が得意としている「相続・事業承継」は誰しもが避けて通れないものだからです。
ただし現実問題として、誰もがこの問題を避けて通ることができないものと認識しているものの、話し合う時間がない・話し合う機会がないという理由で、なし崩し的に先送りしています。
お盆やお正月は相続や事業承継について話し合う良い機会なのです。
せっかくみんなで集まるんだから、めんどくさい話は後にしたい気持ちもわかります。みんなで集まる機会だからこそ、少しお話ししてみてはいかがでしょうか。
家族と将来の家族について話す
相続・事業承継について家族で話しあう際に、まずは、将来の家族について話してみてはいかがでしょうか。
将来の家族とは、祖父母、父母、夫妻、息子娘…のうち、祖父母や父母が誰と何処でどのように暮らすつもりなのか?という点です。
【例】
祖母が90歳近くで一人で暮らしている。父母が住んでいる場所も近くはない。
このようなケースでは、今はまだ元気な祖母の世話は、誰がするのか?
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に住んでもらう
- 父母が面倒を見る
- サ高住に入居してもらうとしても資金は年金で賄えるのか?
- 父母は面倒を見る体力的余裕や金銭的余裕があるのか
- 今住んでいる家はどうするのか?賃貸に出すのか?そのままにするのか?
などなど、祖母1人についてだけでも、検討すべき事項は多岐にわたります。
この際に留意すべきが、何を重視するのか?という点です。
重視すべきものの例としては、祖母の気持ち(本当はサ高住に入りたくない)、父母の気持ち(できればサ高住に入ってほしい)、相続税負担等が挙げられます。
相続税の観点だけでいえば、祖母、父母の気持ちよりも相続税負担を軽減することを重視すれば相続税を軽減することが可能なことがあります。
なお、平成30年税制改正で小規模宅地等特例に一部改正がなされています。この改正は形式的に小規模宅地等の特例が適用できるかたちを整えて相続税負担を軽減していたものを防止するものです。
相続税の負担を軽減するために、祖母や父母の気持ちを重視すべきなのか、相続税の負担が大きくなってもよいので、祖母の気持ちを重視するのか等は話し合いからしか決めることができません。
財産の分け方を検討し、相続税の試算をしてみる
誰がどのように暮らすのか、家族としてどのような形でかかわっていくのかが決まったら、相続税の試算を一度してみることをお勧めします。
相続税が課されるのは相続により財産を取得した相続人の方々です。相続財産の分け方によっては家族中が悪化するケースもあり、皆が納得できるよう財産を分ける必要もあります。
相続発生後に話し合えばいいじゃないか、とお思いになる方も多いとは思いますが、相続発生後には十分な相続対策ができません。
無駄な税金払いたくない、という方は、事前の相続対策が必須です。
当然、被相続人の意思を最大限に尊重できる範囲内での相続対策を実施するのが重要です。
ということから、相続財産の話し合いも、家族が集まった時でなければすることが難しいです。
一度に話し合うのは無理。少しずつ話し合いを重ねる
今後、誰が誰の面倒を見て、誰がどこで暮らすのかという点だけでも、話し合いの結論はなかなか出ないと思います。
一度だけの話し合いでは結論が出ません。何度も何度も話し合いをして、少しずつ決めていく必要があります。
これに財産の分け方の話が追加されるのです。1日、2日で決まるわけがないのです。
ただし、1度でも話し合いの機会を持っておくことで、各人に当事者意識が生まれ
病気になってから決める、というのでも結構ですが、その場合は時間的・精神的な余裕がなく、ベストな結論を出せない可能性がある点は留意が必要です。何事も事前の対策・検討が大切になってきます。
家族と会社について話す
家族の今後について話す際に、切っても切り離せないのが、会社です。
会社に関係する、相続・事業承継問題は非常に奥深く、検討すべき点が多いです。
自社株式は相続財産です。
自社株式は相続財産になります。証券市場等で換金できないにも関わらず、会社の株式には象族税が課されてしまいます。
そもそも自社株式の相続性法上の評価額がいくらになるのか不明!という方も多いと思います。
気になったら、まずは試算してみることをお勧めいたします。
□よくある質問事項については記事にまとめています。
検討すべき事項の一つとして、自社株式は生前贈与すべきか否かという点があります。110万円までなら贈与税がかからないと聞いた!というお話はよく耳にすると思います。
この点については以下の記事をご覧ください。
□金融機関が持株会社スキームを提案してくるかもしれません。
□相続人がいる場合であっても、スムーズに事業承継が進むとはかぎりません!
【事業承継】承継計画が進まないその理由⇒事業を譲る予定がない経営者が多い
後継者不在企業は会社の後継者を探す必要があります
親族や身近に後継者がいない場合、自社株式を会社を継ぐ予定のない相続人に相続したとしても、その後に困ってしまいます。
ご自身の会社が後継者不在企業であるのであれば、会社の将来についてもお盆(お正月)のこのタイミングで話し合ってみてはいかがでしょうか。
【事業承継】企業の後継者不在は3社に2社。深刻な状況は変わらない
【事業承継】”後継者不在”企業の経営者が気を付けるポイント!
【事業承継】事業承継が終わっている企業はわずか15%。事業承継計画を有する企業は40%超。
M&Aという選択肢もあり!
第三者承継(M&A)という事業承継型M&Aを実施することで、自社株式、後継者問題、従業員の雇用の問題を一気に解決することができます。
今まで経営してきた会社の経営権を第三者に譲渡するのは心苦しいかもしれませんが、残された親族、従業員のことまで包括的に考えると悪い選択肢ではありません(経営者の心の整理さえつけば)。
【中小企業M&A】進め方:専門家への相談から~決済までの流れ
まとめ
お盆のタイミングで、家族の方と家族のこれからと一族の財産、自社の承継についてお話ししてみてはいかがでしょうか。
税理士に相続・事業承継対策を依頼しても、結局はご家族の意向を踏まえての提案になります。
ご家族の意向に沿わないスキームを提案したところで、誰も喜ばないからです。
話し合いの結果、親族内に会社を継ぐ人がいないことが改めて確認できたのであれば第三者承継の準備を進めてみましょう。
まずは第三者に株式を譲渡した場合の評価額を知るところからです。
澤田公認会計士・税理士事務所では、中小企業のM&Aサービスを提供しています。今まで100件以上の中小企業M&Aに関与しています。会計事務所向けの研修会も行わせていただいております。
【中小企業M&A】M&Aサービスとセカンドオピニオンサービスについて
【研修講師】会計事務所で「会計事務所とM&A」について講師をさせていただきました
【少しだけ相談したい方向けに、スポット相談も実施中です】
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【プロフィール】
・プロフィール
【主な業務内容】
・スタートアップ支援
・事業承継対策
・M&Aサービス
・税務顧問業務
・個別コンサルティング業務
・コスト重視プラン
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。