こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
中日新聞に、事業承継問題が取り上げられていました。
中小企業の後継者不足が主な理由となり、2017年までの5年間で中部地方9県で約24,000社が休廃業していたようです。
休廃業の中小企業が右肩上がりに増えている
日本の国内企業の99%を占める中小企業のうち、休廃業する中小企業が右肩上がりに増えており、2025年頃には現役社長の6割超が現役を退く「リタイア適齢期」を迎え、大廃業時代が到来すると中日新聞に記載がありました。
黒字でも休廃業をしている現実
中小企業庁の調査では、休廃業した企業の約半数は税引前利益が黒字でした。
黒字にもかかわらず休廃業を選択した理由としては、経営者自身の高齢化、後継者の不在が挙げられています。
中小企業の休廃業が急増している現実の後ろ側には、経営者自身の高齢化や後継者問題という日本社会の抱える問題が潜んでいるのです。
後継者が「不在・未定」企業は全体の6割超
帝国データバンクの調査によると、後継者が「不在・未定」の企業の割合は全体の66.5%であり、売上規模が1億円未満の企業の場合は8割近くに及びます。
愛知県も後継者不在率が高い
都道府県別の後継者不在率を帝国データバンクが調査しています。
後継者不在率のトップは沖縄県の84.3%、山口県76.4%、北海道と続きます。
中部地方では、愛知県が71.1%でトップであり、三重県、岐阜県、滋賀県が、後継者不在率の全国平均66.5%を上回っています。
年々減る中小企業数
中部9県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、志賀、石川、富山、静岡)の中小企業数は、2004年から2014年までの10年間で10万社も減少しており、これは2004年時点の中小企業全体の1割に相当します。
愛知県も同様で、製造業の中小企業を中心に2014年までの10年間で約1割の中小企業が休廃業しています。
休廃業の会社の救済は第三者承継(M&A)
事業承継の手法として現実的に取りうる手法は次の3つです。
1.親族内承継
2.従業員承継(MBO)
3.第三者承継(M&A)
従来は1.親族内承継や2.従業員承継(MBO)の道を検討し、実行可能であれば親族又は従業員承継を実行するというのが一般的でした。
つまり、第三者承継(M&A)という選択肢が本来的にはあるにも関わらず、選択されない(=経営者の方の頭の片隅にもない)状況でした。
その結果、この10年間で休廃業を選択している企業が急増してしまったのです。
実は休廃業をせずとも会社や事業を継続する方法があります。その手法が近年増加している中小企業M&Aです。
近年、事業承継問題がクローズアップされるに伴い、中小企業M&Aが非常に活発に行われるようになってきています。
中小企業の休廃業が経済に与える影響
中小企業の休廃業が増加すると、地域経済衰退、日本のモノづくり力、日本の国力の減退に直結します。
・働く場所の消滅
・人口減少(職を求めて都心へ移動)
・地域経済の減退
・中小企業メーカーが担っているサプライチェーンの断絶
・日本では製造業が成り立たなくなる
・製造は海外工場で完結
・日本の国力が衰退
となり、中小企業が日本から休廃業によって消滅するインパクトは非常に大きいのです。
中部経済を支えている自動車産業も、自動車の電動化、自動化等の影響が大きいはずです。
本来であれば、清算廃業を検討している中小企業の引受け先である企業が積極的にM&Aによりこれらの中小企業を買収し、自社グループの傘下に入れることが望ましいですが、自動車業界自体が先が読めない状況にあるわけです。
経営戦略にM&Aを活用する
自動車業界の会社が、同じ自動車業界の中小企業を買収することは、同業であるためメリットやシナジー効果を簡単に測定することができます。
しかし、この自動車業界は前述した通り、自動車の電動化や自動運転技術などの自動化という最新テクノロジーの影響を多分に受けている状況にあります。
自社の置かれる状況が、先の見えない・不安な業界であれば、これから伸びるであろう業界の会社を買収するというのも経営戦略の1つではないでしょうか。
金融機関やM&Aアドバイザーから提案された売却希望企業を受け身で検討するのではなく、自らが戦略的に動くことでM&Aをより経営戦略の1部としてみてはいかがでしょうか。
まとめ
中部地方でも事業承継問題が深刻化しています。
とはいえ、事業承継問題についてゆっくり話す機会もなければ具体的な方法もわからないと思います。少しでも事業承継問題について検討したのであれば、専門家を交えて話を進めましょう。
澤田公認会計士・税理士事務所は事業承継問題解決の専門家です。
顧問税理士から事業承継に関する提案が全くない方や、既に顧問税理士から何かしらの提案を受けているがそれでいいのか判断がつかないという企業様に対しても”セカンドオピニオン”という形で情報提供及びスキーム提案をさせていただくことは可能ですので、気になる方は一度ご連絡ください。
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