”事業”の買換特例は現実的にワークするのか

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

「事業の買換特例」が平成30年度の税制改正で導入が検討されています。(T&AマスターNo.708)

事業の買換特例とは

経済産業省の平成30年度税制改正要望には、「事業ポートフォリオ転換の円滑化措置」として、土地や建物等を対象とする従来の買換え特例に対して、「事業」そのものを売買の対象とする「事業の買換特例」の導入が盛り込まれています。

不要事業を売却した際に生じる売却益に対する課税を、新たに事業を購入した場合は繰延べるという圧縮記帳制度の一部のようです。

事業を売却することによって生じた売却益相当分だけ、新たに購入した事業の帳簿価額をマイナスし圧縮損を計上することで譲渡益が生じないようにする仕組みです。

制度上の疑問点

「事業」の「買換え」特例の主なメリットは課税の繰り延べです。

つまり、譲渡する事業から譲渡益が生じることが当該制度の大前提となっています。

・そこで次のような疑問が生じます。

―譲渡益が生じる事業を会社は譲り渡すのか?

―新たに事業を買う必要があると思われるが、すぐに買収したい事業がみつかるのか

-先行取得の制度が認められるのであれば、事業を譲渡するまでの猶予期間は何年ほどあるのか

一番気になるのは、事業を譲渡して売却益が生じるのかなぁと。そのような事業を手放す企業は現実的にはあまりない気がします。

事業を売却するだけではなく、新たに買換えしなければならない点も気になります。売却は売却先を探す必要がありますが、買い替えるのであれば、事業を売却しようとしている法人を探す必要があります。この制度の適用を受けるのは大変な労力が必要になりそうです…

売却先候補、購入予定事業を見つけれたとしても、必ずしも売却や買収が可能とは限りません。なぜならM&Aは交渉事だからです。事業を買換える前提でスケジュールを組んでいても、売却はできたが、買収がうまくいかないといったケースも当然でてきます。このような場合はどのような課税関係になるのか気になるところです。

まとめ

私は前職の日本M&Aセンターで中小企業のM&A業務に数多く携わってきましたが、事業は売却するのも買収するのにも非常に多くの時間と工数を必要とします。

平成30年度税制改正で導入が検討されている当該制度を適用しようとするならば、事業の売却と買収をほぼ同時並行で進めていかなければなりません。先行取得等の特例が導入されるにしても、自社が求めている事業は目の前には落ちていないので探しに行く必要があります。

企業の事業ポートフォリオ転換の円滑化には、課税の繰り延べはメリットにはなると思いますが、それ以上にまずは、M&A市場の透明性を確保することを優先すべきではないかと考えています。

愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
中小企業のM&A、事業承継、スタートアップ支援を得意としています。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。

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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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