【税制改正大綱】グループ通算制度

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

先ほど、令和2年度税制改正大綱が公表されました。

特に気になっていた、連結納税制度→グループ通算制度についてまとめてみます。

呼び名が変わるようです。

連結納税制度を見直し、次のグループ通算制度へ移行する。

グループ通算制度、、、、グループ法人税制とそっくりで間違えそうです。

基本的な仕組み

  1. 適用法人及び適用方法は、親法人及び各子法人が法人税の申告を行う点並
    びに青色申告の承認を前提とする点を除き、基本的に連結納税制度と同様と
    する。
  2. 親法人の電子署名により子法人の申告及び申請、届出等を行うことができ
    ることとするほか、ダイレクト納付についても所要の措置を講ずる。
  3. グループ通算制度の適用法人は、電子情報処理組織を使用する方法(e-
    Tax)により法人税及び地方法人税の確定申告書、中間申告書及び修正申告
    書を提出しなければならないこととする。

大綱にはこのように記載があります。適用法人は連結納税制度と同様とのことなので100%の子会社のみが対象です。ここで50%超とかだったら、本当にグループ法人税制との区別がつけにくくなっていたところなので、平仄を合わせてくれてありがとうございます。

手続き面はe-Taxが強制になるようです。

所得金額及び法人税額の計算

①損益通算

イ 欠損法人の欠損金額の合計額(所得法人の所得の金額の合計額を限度)を所得法人の所得の金額の比で配分し、所得法人において損金算入する。この損金算入された金額の合計額を欠損法人の欠損金額の比で配分し、欠損法人において益金算入する。

ロ グループ通算制度の適用法人又は通算グループ内の他の法人の所得の金額又は欠損金額が期限内申告書に記載された所得の金額又は欠損金額と異なる場合には、期限内申告書に記載された所得の金額又は欠損金額を上記イの所得の金額又は欠損金額とみなして上記イの損金算入又は益金算入の計算をする。

② 欠損金の通算

イ 欠損金の繰越控除額の計算は、基本的に連結納税制度と同様とする。

ロ 通算グループ内の他の法人の当期の所得の金額又は過年度の欠損金額が期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額と異なる場合には、期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額を当期の所得の金額又は過年度の欠損金額とみなす

ハ グループ通算制度の適用法人の当期の所得の金額又は過年度の欠損金額が期限内申告書に記載された当期の所得の金額又は過年度の欠損金額と異なる場合には、欠損金額及び中小法人等以外の控除限度額(欠損金の繰越控除前の所得の金額の50%相当額をいう。)で期限内申告において通算グループ内の他の法人との間で授受した金額を固定する調整をした上で、その適用法人のみで欠損金の繰越控除額を再計算する。

③ 欠損金の繰越期間に対する制限を潜脱するため又は離脱法人に欠損金を帰属させるためあえて誤った当初申告を行うなど法人税の負担を不当に減少させる結果となると認めるときは、税務署長は、上記①ロ並びに②ロ及びハを適用しないことができる。

④ 通算グループ内の全ての法人について、期限内申告における所得の金額が零又は欠損金額がある等の要件に該当するときは、上記①ロ並びに②ロ及びハを適用しない。

⑤ 利益・損失の二重計上の防止

投資簿価修正制度を次の制度に改組する。

イ 通算グループ内の子法人の株式の評価損益及び通算グループ内の他の法人に対する譲渡損益を計上しない。

ロ 通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価額を離脱法人の簿価純資産価額に相当する金額とする。

ハ グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入をする子法人で親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれないものの株式について、株主において時価評価により評価損益を計上する。

(注)グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入後損益通算をせずに2月以内に通算グループから離脱する法人については、上記イからハまでを適用しない。

⑥ 税率
税率は、通算グループ内の各法人の適用税率による。なお、中小法人の軽減税率の適用対象所得金額は、年800 万円を所得法人の所得の金額の比で配分した金額とする。

グループ通算制度の適用開始、通算グループへの加入及び通算グループからの離脱

① グループ通算制度の適用開始、通算グループへの加入又は通算グループからの離脱の際のみなし事業年度について、基本的に連結納税制度と同様とする。

② グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入に際して行う資産の時価評価について、対象外となる法人を次の法人とする。

イ 適用開始時の時価評価課税の対象外となる法人
(イ)親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる子法人
(ロ)いずれかの子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる親法人

ロ 加入時の時価評価課税の対象外となる法人
(イ)適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人
(ロ)通算グループ内の新設法人
(ハ)適格組織再編成と同様の要件として次の要件(加入の直前に支配関係がある場合には、aからcまでの要件)の全てに該当する法人

a 親法人との間の完全支配関係の継続要件
b 当該法人の従業者継続要件
c 当該法人の主要事業継続要件
d 当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件
e 上記dの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件

③ 上記②イ又はロの法人以外の法人のグループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金を切り捨てる。

④ 上記②イ又はロの法人のグループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金及び資産の含み損等について、次のとおり、支配関係発生から5年経過日と開始又は加入から3年経過日とのいずれか早い日まで、制限を行う。

イ 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合には、支配関係発生前に生じた欠損金及び支配関係発生前から有する資産の開始・加入前の実現損から成る欠損金を切り捨てるとともに、支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする。

ロ 原価及び費用の額の合計額のうちに占める損金算入される減価償却費の額の割合が30%を超える場合には、通算グループ内で生じた欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金(その法人の所得の金額を限度として控除ができる欠損金をいう。以下同じ。)とする。

ハ 上記イ又はロのいずれにも該当しない場合には、通算グループ内で生じた欠損金のうち、支配関係発生前から有する資産の実現損から成る欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。

⑤ 次の法人については、上記④の対象外とする。
イ 親法人との間(親法人にあっては、いずれかの子法人との間。ロにおいて同じ。)に支配関係が5年超ある法人

ロ 通算グループ内のいずれかの法人と共同事業を行う法人として、次の法人
(イ)加入の直前に親法人との間に支配関係がない法人で上記②ロ(ハ)に該当するもの

(ロ)開始又は加入の直前に親法人との間に支配関係がある法人で次の要件の全てに該当するもの

a 当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件
b 上記aの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件
c 当該法人の上記aの主要な事業の事業規模拡大2倍以内要件又は特定役員継続要件

(ハ)非適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人で共同で事業を行うための適格株式交換等の要件のうち対価要件以外の要件に該当するもの

⑥ グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入前の欠損金(現行:特定連結子法人の連結納税制度の適用開始又は連結グループへの加入前の欠損金)のうち上記③及び④により切り捨てられなかったものは、特定欠損金とする。

⑦ 通算グループからの離脱

イ 連結納税制度と同様に、通算グループから離脱した法人は、5年間再加入を認めない。
ロ 通算グループから離脱した法人が主要な事業を継続することが見込まれていない場合等には、その有する資産については、直前の事業年度において、時価評価により評価損益の計上を行う。

まだまだありますが、とりあえずここまで。連結納税と異なり「みなす」規定が増えているようなので、連結納税している会社の計算全部やり直し!ということにはならないってことでしょうか。いずれにしても大変そうです。

適用時期

令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用するとのことです。まだまだずいぶん先ですね。

まとめ

連結納税制度がグループ通算制度に制度が変わるのはしばらく先のようなので、しっかりと準備していきたいと思います。とはいえ、欠損金を抱えた会社がないと導入メリットはないな。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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