【スタートアップ】エンジェル税制ってご存知ですか?投資家のためにも整備すると【吉】

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

エンジェル税制ってご存知でしょうか?

簡単に言えば、ベンチャー企業に投資した個人投資家に税務上のメリットを付与してあげようという制度です。

エンジェル税制について少し深堀してみたいと思います。

エンジェル税制って?

中小企業庁のHPでは、次のように紹介されています。

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するためにベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。ベンチャー企業に対して、個人投資家が投資を行った場合、投資時点と、売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができます。
また、民法組合・投資事業有限責任組合経由の投資についても、直接投資と同様に本税制の対象となります。

起業家応援税制とも書いてありますが、起業家からすれば投資家から出資をしてもらえるので応援されている!とうことですね。

税務上の恩恵は?

エンジェル税制の恩恵についてご紹介します。

エンジェル税制は、ベンチャー企業に投資した投資家に一定のメリットを享受してもらおうというのが趣旨でした。

そこでエンジェル税制では、次のような恩恵を投資家向けに用意しています。

・所得税の控除

100万円を投資すると、20万円税金が戻ってくることもあります。

(出典:経済産業省エンジェル税制パンフレットhttp://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/angel/pdf/angeltax_panf2.pdfより)

年収500万円の方が、投資すると20万円も税金が戻ってくることもあるようです。

これはお得!

・株式譲渡益の控除

ベンチャー企業への投資金額を、その年の株式譲渡益から控除することが可能です。

A社に投資したエンジェル投資家さんに、B社株式売却益がある場合、A社への投資金額をB社株式売却益から控除することができます。

ということで、投資した金額次第では、かなりのメリットを享受できる可能性があります。

(出典:経済産業省エンジェル税制パンフレットhttp://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/angel/pdf/angeltax_panf2.pdfより)

株式の譲渡益からも控除できるので、インパクトは大きいです。

株式の譲渡益に対しては一律15.315%の所得税(+5%の住民税)が課されるため、これもインパクトが大きいです。なんで自分で儲けた利益の20%も税金で持っていかれるのだ?という気持ちは非常によくわかります。2割って結構な割合ですからね。

エンジェル税制の手続きの流れ

(出典:経済産業省エンジェル税制パンフレットhttp://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/angel/pdf/angeltax_panf2.pdfより)

エンジェル税制の適用を受ける手続きはこのような手順になります。

1.投資を受けた企業が税制適格である事の確認を経済産業局に申請

2.経済産業局が確認書を企業に交付

3.企業から投資家に確認書と必要書類を交付

4.投資家が確定申告で申告(確認書を添付する必要がある)

5.控除に係る税金を還付

注意が必要なのが、投資を「受ける」企業が、経済産業局に申請をしなければいけない点です。ベンチャー企業や創業間もない企業だと、ここがネックになる可能性が大です。

というのも、慢性的にマンパワーが不足している中で申請書を準備できるのか、という悩みです。こればかりは何とも言えませんが、顧問の会計士や税理士に依頼するほうがいいと思います。大変なので。

必要資料:投資を受けるベンチャー企業側

認定の申請をするためには、こんなにたくさんの資料を集める必要があります…これは多い。

①確認申請書
②定款
③登記事項証明書
④申請日が属する年度の前年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書
⑤申請日が属する年度の前々年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書
⑥設立後最初の事業年度から申請日が属する年度の前々々年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書
⑦申請日が属する年度の前年度の確定申告書別表二
⑧申請日における株主名簿
⑨常時使用する従業員数を証する書面
⑩申請日における組織図
⑪研究者・新規事業活動従事者の略歴、担当業務内容
⑫事業計画書
⑬法人設立届出書
⑭設立の日における貸借対照表
⑮設立後の各事業年度における貸借対照表、損益計算書、事業報告書及びキャッ
シュ・フロー計算書
⑯申請日が属する年度の前年度の確定申告書別表1(1)(税理士が署名したもの)
⑰法人事業概況説明書

顧問の会計士や税理士に伝えれば、出してもらえる資料もたくさんありますが、

事業計画書、組織図、従業員数を証する書面、研究者等の略歴等は社内で準備するしかありません。エンジェル税制のポイントはここではないかと思います。社内で作成するしかない書類を、ちゃんと用意することができるのか、という問題ですね。

少し気になったのが、設立2期目以降の会社の場合は、法人税の確定申告書に税理士が署名している必要があるようです。税理士が署名しているということは、しっかりと決算が組まれているはずだという一定の心証があるため、必須条件にしているのでしょうね。

投資契約が必要

投資を受ける企業と、投資家との間で投資契約を締結する必要があります。

そしてその投資契約には、一定の事項を記載する必要があります。

エンジェル税制の適用に必要とされる投資契約の記載事項

1. 発行会社により発行される株式の総数及び払込金額

2. 個人が取得する株式の数、取得価額及び取得価額の総額

3. 発行会社により発行される株式の払込みの方法及び払込み期日又はその期間

4. 個人が発行会社に対し約束する事項

(1) 基準日(租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)第18条の15第8項第1号イに規定する基準日(個人が租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第41条の19の規定(以下「寄附金控除に係る規定」という。)の適用を受けようとする場合には、租税特別措置法施行規則第19条の11第7項第1号に規定する基準日)をいう。以下同じ。)において、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号)第25条の12第1項第1号から第7号までに掲げる者(個人が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第26条の28の3第1項第1号から第7号までに掲げる者)に該当しないこと。

(2) 発行会社から与えられた租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第29条の2に規定する新株予約権に係る同条第1項本文の規定の適用を受けないこと。

(3) 株式を取得した時以後に、保有する株式の数に変更を生じさせる事実が発生したときには、当該事実の内容、当該事実の発生した年月日、当該事実により変更のあった株式の数及びその他参考となるべき事項について発行会社に報告すること。

5. 発行会社が個人に対し約束する事項

(1) 4.(1)に掲げる事項を確認した場合には、租税特別措置法施行規則第18条の15第8項第2号に掲げる書類(個人が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第19条の11第7項第2号に掲げる書類)を作成し、個人に交付すること。

(2) 基準日において、中小企業等経営強化法施行規則(平成11年通商産業省令第74号。以下「規則」という。)第3条第1項各号に掲げる要件に該当するものであること。

(3) 個人が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、基準日において、規則第4条の2第1項各号に掲げる要件のいずれかに該当するものであること。

(4) 基準日以後遅滞なく、規則第5条に規定する手続(個人が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合(発行会社が同令第4条の2第1項の確認を受けていない場合に限る。)には、同令第5条の2に規定する手続)を行い、同令第5条第4項に規定する確認書を当該個人に交付すること。

(5) 租税特別措置法施行規則第18条の15第8項第3号に掲げる明細書(個人が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第19条の11第7項第3号に掲げる明細書)を作成し、個人の求めに応じて交付すること。

(6) 次のいずれかに該当することとなったときはその旨を証する書面を作成し、個人に交付すること。

① 清算の結了又は特別清算の結了があったとき。

② 破産法(平成16年法律第75号)第30条第1項に規定する破産手続開始の決定があったとき。

③ 発行する株式が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場又は同法第67条の11第1項に規定する店頭売買有価証券登録原簿に登録されたとき。

(7) (1)から(7)までに掲げるもののほか、個人が租税特別措置法第37条の13、第37条の13の2又は第41条の19の規定の適用に関し必要な情報の提供及び書類の交付を行うこと。

投資契約書にも記載すべき事項が盛りだくさん。

長くなってしまうので、今回はここまでにします。

エンジェル税制の申請を検討の方はご相談ください

ここまで、見てきただけでも準備すべき書類が非常にたくさんありました。

ベンチャー企業がこれらの書類をご自身で用意するのは至難の業です。

澤田公認会計士・税理士事務所ではエンジェル税制申請サポートも行っております。

投資してもらう見返りに、少しでも投資家にメリットを享受していただきたいとお考えのベンチャー経営者の方はエンジェル税制の適用を検討してみてはいかがでしょうか。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

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