【スタートアップ】役員報酬の設定_2

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

先日、起業して会社設立間近の方から、こんな質問を受けました。

「役員報酬の設定、どうしよう」、まぁよくある話です。

以前も記事にさせていただいています。

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。 法人設立時に悩ましいのが、資本金の額と役員報酬の金額の決め方です。 役員...

役員報酬の設定の会話中に、ユニークな発想が含まれていたので、ご紹介させていただきます。

役員報酬の原則論/定期同額給与

役員報酬は、好きな時に好きな金額を支払っても良いというわけではありません。

基本は、1年間固定です。定期同額給与と呼ばれています。

好きな時に好きなだけ役員報酬を増減させることを認めてしまったら、法人税等の金額が調整し放題になってしまうからです。税務署からすると、税金が取れなくなってしまうわけです。

そのため法人税法上、定期同額給与という概念が設けられています。

期首から期末まで役員報酬が一定でなければならない!というわけではありませんので、その点はご安心ください。いくつかパターンがあります。

定期同額給与のパターン

定期同額給与には以下の数パターンが存在します。

1.「期首(事業年度開始の日)」から「期末」まで同額

2.「期首(事業年度開始の日)」から「給与改定後の最初の支給時期の前日」まで

3.「給与改定後の最後の支給時期の翌日」から「給与改定後の最初の支給時期の前日」まで

4.「給与改定後の最後の支給時期の翌日」から「期末(事業年度終了の日)」まで

1.、事業年度を通じて、役員報酬が一定額であるため非常にわかりやすいです。

12月決算の会社であれば、1月から12月までの役員報酬がすべて同額であればOKです。

2~4は、「給与改定」というキーワードが出現しています。

給与改定は、「期首から原則3か月以内」に行われる必要があります。

この「期首から原則3か月以内」にまつわる質問を承りました。

質問:期首から3か月以内に、それ以降の額を決めるのであれば、期首から3か月は自由に決めてもいいのではないか?

質問の意図としては、期首から3か月以内にそれ以降の役員報酬を決めることができるのであれば、期首から3か月間は高めに役員報酬を設定してもいいの?それができたら、役員報酬を損金計上できる金額が増えるよね。というものです。

具体例:1月に会社設立。

1月~3月:役員報酬100万円/月

4月~12月:20万円/月

このように1月から3月の期首から3か月の役員報酬を高めに設定して、3か月会社の売上の様子を見る。

仮に1月から12月までの役員報酬を20万円/月に設定した場合に比べて有利だよね。だって期首から3か月以内に決めればいいんでしょ?

と言われたわけです。

回答:それは違うと思う

発想力が豊かすぎて、びっくりしました。

会社設立のお手伝いは沢山させていただきましたが、この発想は初めてです。

期首から3か月以内に役員報酬を決めるのであれば、期首からの3か月間はどうなるの?当然ゼロだと信じていました。

で、少し検討してみます。

回答は、3か月間はゼロです、なんですが。

前述した通り、2~4に該当していれば、定期同額給与として認められます。

2.「期首(事業年度開始の日)」から「給与改定後の最初の支給時期の前日」まで

3.「給与改定後の最後の支給時期の翌日」から「給与改定後の最初の支給時期の前日」まで

4.「給与改定後の最後の支給時期の翌日」から「期末(事業年度終了の日)」まで

今回の質問では2.「期首(事業年度開始の日)」から「給与改定後の最初の支給時期の前日」までを期首から3か月、それ以降は3か4を適用すれば全額役員報酬を損金算入できるのでは?という意味に解釈できます。

私が「無理だと思う」理由は以下の通りです。

役員報酬は、原則として期首から期末まで(法34条①一)。とはいえ、一定の例外が必要だという事で2~4が設けられています。

2~4が設けられているのは、一般的に定時株主総会で役員が選任され、当該役員の職務執行期間は「定時株主総会の開催日から翌年の定時株主総会の開始日まで」の期間とされていることから、「改定」を一種の基準として設置しているものです。

今回のケースでは、そもそも役員報酬を株主総会で一度も設定していないので、「改定」という概念にそぐいません。新設法人であれば新任役員です。

期首から3か月後に給与改定をする理由がありません。新設法人ではなく、役員の任期が終了し、再選された等の理由があるのであれば、別途検討の余地は残されていますが、そうでないのであれば、難しいのではないかというのが私の考えです。

まとめ

会社設立をしたら、まず考えるべきは役員報酬の設定です。

設立から3か月以内に決めなければ、第1期目にどれだけ役員報酬を支払ったとしても1円も損金算入できません。

役員報酬の設定をするためには、売上や経費の見積もりも必要になってきます。といった具合に一年の大まかな計画を立てる必要がでてくるのです。

会社設立をしたかたで役員報酬の設定を検討すらしていない方は、1年間の売上の見込みをたてることから始めてみましょう!(見込みを立てましょうというのは簡単ですが、実際に見込みを立てようとすると超難しいです…)

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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