【節税】一般社団法人利用スキームに警鐘!?小規模宅地特例も。

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

T&Amaster715号に気になる記事が掲載されていました。

一般社団法人利用の節税スキームに警鐘と。

日税連の神津会長が、政府税制調査会において、2つの節税スキームに警鐘をならしているとのことです。

1.一般社団法人利用スキーム

一般社団法人とは?

一般社団法人とは、登記によって法人格を取得することができる法人であり、出資持分がないこと剰余金の分配ができない点が株式会社と大きく異なります。

一般社団法人は出資を求めていないことから、持分がありません。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第131条において、基金を引き受ける者の募集等に関する定款の定めはありますが、基金は返還義務を負うものとする、と規定されており、出資持分とは異なります(返還義務があるので債務です)。

基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)

出典:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律:第131条

出資持分がないので当然ですが、配当もできません。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第11条②において、剰余金の配当が改めて明文化したうえで、禁止されています。

社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。

一般社団法人スキームとは?

一般社団法人スキームとは、一般社団法人が株式会社と異なり持分がないことに着目したスキームです。

具体的には、相続財産となりそうな不動産や有価証券を一般社団法人に移転し、相続税の課税を逃れるスキームです。

相続財産を一般社団法人へ移転することで、当該財産を被相続人の相続財産から完全に除外することができるというわけです(一般社団法人には持ち分がないので)。

さらに、子供や孫を一般社団法人の理事に就任させることで、相続税や贈与税の世界から隔離することが可能になるスキームです。

ただし、不動産や有価証券を一般社団法人へ移転させる際に、所得税や法人税が課される点には留意が必要です。

有益性・公益性を利用したものであると指摘

日本税理士会連合会の会長が、「本来の一般社団法人の有益性・公益性を利用したもの」と指摘し、課税の公平上問題であると指摘しているそうです。

2.小規模宅地特例スキーム

小規模宅地特例とは

個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額する特例を小規模宅地特例と言います。
平成22年度税制改正で、特定居住用宅地等について80%減額ができる者は次の3ケースとされました。

1.被相続人の配偶者

2.被相続人と同居していた親族

3.被相続人と同居していない親族

このうち、3.被相続人と同居していない親族は、次の要件を満たす必要があります。

①から③の全てに該当する場合で、かつ、次の④及び⑤の要件を満たす人

①相続開始の時において、被相続人が一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人であり、かつ、取得者が一時居住者又は日本国籍及び日本国内に住所を有していない人ではないこと。

② 被相続人に配偶者がいないこと

③ 被相続人に、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族でその被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)である人がいないこと

④ 相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと

⑤ その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

小規模宅地特例を利用するためのスキーム

同居していない、すでに持ち家を所有している親族にも小規模宅地特例を利用するため、子供が資産管理会社を設立し、資産管理会社に建物(自宅)を譲渡、子供は当該建物(自宅)を社宅として居住することで要件を満たしているケースが多いとのこと。

子供が社宅として建物(自宅)に居住することで、要件④の所有する家屋に居住したことがないことという要件を充足しようとするものです。

子供は資産管理会社の持分は所有しているが、建物は直接所有していないので、小規模宅地等の特定居住用住宅等の要件を充足するというスキームです。

制度趣旨から逸脱している

資産管理会社を設立し、不動産を移転することで小規模宅地特例の要件を充足するスキームについても、小規模宅地特例の制度趣旨から逸脱した行為だと神津会長は指摘しているようです。

まとめ

一般社団法人は初めの資産の移転さえ上手にできれば、株式会社や合同会社型の資産管理会社よりも自由度の高いビークルです。従業員持ち株会等の株式の受け皿会社としても使い勝手が悪くないだけに、過度な規制は避けてほしいなと思います。既にこのスキームを実行している場合はどうなるのだろうか。

一昨年の政府税制調査会ではタワマン節税に関してコメントがあり、その後タワマンの固定資産税課税について見直しが行われていることから、一般社団法人利用スキームについても今後の動向から目が離せません。

愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
中小企業のM&A、事業承継、スタートアップ支援を得意としています。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。

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