開発費って何?繰延資産に計上されているんですけれど。試験研究費とは違うのか?

企業会計原則によると

(貸借対照表科目の分類)

(一)資産C:創立費、開業費、新株発行費、社債発行費、社債発行差金、開発費、試験研究費及び建設利息は、繰延資産に属するものとする。

開発費は開業費等と同様に繰延資産の計上するものとのこと。

なお、注書きがついています。注書きは以下の通り。

「将来の期間に影響する特定の費用」とは、既に代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。

これらの費用は、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的に貸借対照表上繰延資産として計上することができる。

なお、天災等により固定資産又は企業の営業活動に必須の手段たる資産の上に生じた損失が、その期の純利益又は当期未処分利益から当期の処分予定額を控除した金額をもって負担しえない程度に巨額であって特に法令をもって認められた場合には、これを経過的に貸借対照表の資産の部に記載して繰延経理することができる。

今回の支出の効果が将来にわたって発現するものと期待される費用については、その効果が及ぶ数期間に合理的に配分するため、経過的にBS上繰延資産として計上することが”できる”とのこと。つまり、原則は支出時に費用処理するのが原則ではあるが、一時の費用としなくても、その支出の効果の及ぶ期間に応じて償却することも許されているようです。

どのようなものが開発費なの?

開発費とは、次のようなものが該当するとされています。

  • 新技術又は新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のために支出した費用
  • 生産能率の向上又は生産計画の変更等により、設備の大規模な配置替えを行った場合等の費用

経常的に発生する性格のものは開発費は含まれないことになります。

新技術や新規に市場を開拓するために支出した費用については簡単にイメージすることができると思います。

研究開発費とは違うんだね?

「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」では、試験研究開発費(実務指針)開発費(企業会計原則)の区別について触れられています。

繰延処理される開発費の範囲

27.意見書では、研究開発費はすべて発生時に費用として処理しなければならないと規定している。これに対し、財務諸表等規則第36条には、繰延処理できる繰延資産の範囲として開発費の科目名が掲げられている。これは、従来用いられていた「開発費」の用語は、新技術の採用、新経営組織の採用、資源の開発及び市場の開拓までをも包含する広範な内容を有しており、意見書による「開発」の定義の範囲に含まれない費用が発生することが想定されるため、それらの費用を繰延資産として計上する場合の計上区分を明示したものである。

繰延資産は試験研究開発費よりも広範囲なものを指していることがわかります。研究開発費は発生時費用処理が原則ですが、研究開発費に該当しない、市場開拓を意味する開発費については市場開拓として支出した費用は支出した期だけに及ぶものではないとして資産計上及び償却を認めています。

まとめ

研究開発費及びソフトウェアの実務指針では、研究開発費は発生時費用処理が原則。しかし研究開発費ではない開発費は資産計上することも認められている。

試験開発費と開発費をごちゃ混ぜにすると混乱が生じます。支出した費用の内容をしっかりと把握してしっかりと区分しましょう。

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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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