【会社設立】株主はシンプルが一番。やみくもに増やすとトラブルの元。

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

会社設立についてのご相談を多数いただいております。

中でも多いのが、株主についてのご相談です。

今日は株主について考えてみます。

株主は誰にすべき?株主についてよくある質問

会社設立時の相談内容で多いものは、株主関係です。

具体的には次のような質問を頂戴するケースが多いです。

・株主は誰にしたらいいですか?・共同経営者であるX氏も株主にしようと思いますが、どうですか?

・父と母も株主にしようと思っています。

・出資してくれる人がいます。

・友人3人で起業しようと思ってます。

会社を設立する際には、株主の数、それぞれの株主が出資する金額は自由に定めることができます。

自由に決めることができるがゆえに悩むわけです。

よくある質問への回答

株主は少なければ少ない方が良い。

これが結論です。

株主は少ない方がいいです。

株主が多くなることのデメリットから解説いたします。

株主が多くなるデメリット

よくある質問では、株主を複数選ぶことが大前提にあります。

・株主は誰にしたらいいですか?

・共同経営者であるX氏も株主にしようと思いますが、どうですか?・父と母も株主にしようと思っています。

・出資してくれる人がいます。

・友人3人で起業しようと思ってます。

これらの質問について検討してみます。

・株主を誰にしたらいいですか?

株主は少ない方がいいです。理由は以下の回答をみればご理解いただけると思います。

簡単に回答すると、株主が増えると揉め事が多くなります。

・共同経営者であるX氏も株主にしようと思いますが、どうですか?

共同経営者にも会社設立時の出資をしてもらい、会社を設立する。よくある話です。

会社がうまくいっているうちは問題なしです。

問題は会社がいまいちな時、かつ、出資割合が異なるときに発生します。

沢山出資している経営者Aが、出資額の少ないX氏に対して、嫌悪感を感じ始めます。

会社の金は自分が出資したものだ!とX氏に対して主張し始めてしまうのです。

本来、会社は所有と経営が分離されているもの。

所有と経営の分離とは、株主が会社を所有し、日常の会社経営は株主によって選任された取締役が行うことです。

株主≠経営者、であることが株式会社の大前提にあります。

しかし、日本では、上場企業でない限りは、株主=経営者であるケースがほとんどです。

株主=経営者であると、売上が上がるまでは、自分のお金で自分の給与を支払っている感覚になります。実際、間違いではありませんが、これが諸悪の根源です。

共同経営者への給与も出資割合が大きい方が払っている気になり、両者の関係性が悪化する懸念があります。

・父と母も株主にしようと思っています。

父と母を株主にしようと思う、という質問もちょくちょくいただきますが、お勧めしません。

相続のことを考えると、人間の寿命という観点からは父と母の相続が発生します。

会社の株式は、未上場の株式であっても相続の対象です。

兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹も相続人です。

兄弟姉妹の仲がよろしくない場合、仲の良くない兄弟姉妹に自社の株式を取られてしまう可能性があります。

・出資してくれる人がいます。

出資してくれる人がいることは素晴らしいことです。

ただし、その出資を無条件にOKするのかは、検討が必要です。

出資する=株式からの配当や将来的な株式売却益を期待

という方です。

簡単に言えば、儲かりそうだから出資するわけで、儲からなかった場合には、株式を自分の知らない第三者へ譲渡すると言ってくる可能性があります。

譲渡が無理であれば、会社で株式を買い取るように請求してきます。

出資金額を突然返せと言ってくる可能性があるので、注意する必要があります。

・友人3人で起業しようと思ってます。

3人で起業すると、株は3等分にしよう!といって株式の割合を決定している起業家をたくさん見てきました。

会社を設立したときはそれでいいんです。まだ何も始まっていないので。

問題は会社設立後1年経過後、2年経過後に、株主の中に脱退したい人等が出てきた時です。

3等分した株式、33%をどうするか、ということが論点です。

退職するなら株を買い取る!ただ、いくらで買い取ればいいんだ?!という話が出てきてしまいます。

買い取る側は安く買い取りたい、売却する方は高く売りたい、話は平行線…結局株はそのままということにもなりかねません。

物事がうまくいっているときは問題はない。

基本的に物事がうまくいっているときは、株式の問題は発生しません。

物事がうまくいかなくなった時に、株式に起因した問題が発生してきます。

様々なリスクを軽減するためにも、株主は少ない方がいいというのが私の結論です。

たいていの場合揉めます。

株主が増える時も議論が生じる可能性がある

株主が追加で増える場合も、議論が生じることがあります。株主が増えるわかりやすい例がVCから出資を受ける時です。

一般的に、ベンチャーキャピタル等の第三者から出資を受けるにあたっては、既存株主の持ち株比率は低下します。

持株比率の低下について株主さんによって見解が分かれます。

企業が急速に成長するために出資を受けるのであれば、持株比率が低下しても喜ばしいことだと考える株主もいれば、ゆっくりでいいから外部資本など入れたくない!と考える株主さんもいます。

さらにいえば、XXXが出資してくるは、既存株主として良い気がしない、ということもあります。

まとめ

株主が自分1人だけであれば、自分の意思決定だけで決められるわけですが、株主が増えれば増えただけ物事に対する考え方は増えるため、まとまりがなくなります。

余計な論点を生じさせないためにも、株主の数は極力少なくして会社設立することをお勧めしています。

お金が必要であれば、借入等の形で借りるのもありです。

会社の業績が上向きになってM&AやIPOが将来的に見えてきたら、借入金を株式に振り替える(デッドエクイティスワップ/DES)をすれば、借入金の返済に代えてお金を貸してくれた方に株式を付与できます。

会社を設立しようとした目的等にもよりますが、株主は少なくすることをお勧めします。

会社のメンバー集めは株式以外の部分、経営者の魅力、事業の魅力等で集めるよう努力すべきかと。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

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