起業し、独立する場合には2パターンあると思います。

 

1つ目は、個人事業主として事業を開始するケース。

2つ目は、法人を設立して代表取締役になるケース。

 

大きく分けてこの2つです。

 

個人事業主として事業を開始するケース

サラリーマンが個人事業主として独立する場合の社会保険は3つの中から選択できます。

 

1.サラリーマン時代に加入していた社会保険に任意継続で加入し続ける

最大で2年間、サラリーマン時代に加入していた健康保険に加入させてもらうことが可能です。これは任意に加入するものであり、毎月支払いをしなければ、脱退させられてしまいます。逆に言えば、2年間加入し続けるという義務はなく、脱退したくなったら支払いをやめてしまえば良いです。

 

2.国民健康保険に加入(個人事業主と言えば、国民健康保険と国民年金)

国民健康保険は前年の所得に応じて計算されます。上限が定められています(名古屋市の場合は68万円)。

前年所得が高ければ高いので住民税に似た感じのイメージを持っていいただければ結構かと思います。

住民税だけでも負担が大きいのに、国民健康保険まで独立直後に重くのしかかってくると、いったい何のために事業資金を貯めたのだかわからなくなってきますね。

 

3.扶養親族として養ってもらう(ただし年収が130万円を超える見込みが立った場合、扶養から外れなければなりません。ここで注意が必要なのが、1年間の累積が130万円なのではなく、今後1年間の年収が130万円を超えるであろう見込みが立つ場合には扶養親族から除外されてしまう可能性があるということ)

 

法人を設立して代表取締役になる

こちらは会社を独立と同時に設立してしまう方法です。

法人には健康保険と厚生年金に加入する義務があります。これがポイントです。1人株式会社を設立しただけでも、法人として健康保険と厚生年金に加入することになります。

そして、代表取締役は自分の報酬を決定することが可能です。

 

個人事業主の加入する国民健康保険と異なり、法人加入の健康保険と厚生年金は前年の所得に関係なく、設立した法人からの報酬によって健康保険と厚生年金が決まるという点に節約のポイントが詰まっています。

 

つまり、新設した法人からの役員報酬を生活に必要な最低限の金額にすることで、健康保険と厚生年金に加入しつつもその金額を抑えることが可能になるのです。

個人事業主の場合の国民年金は個人が全額負担で、確定申告で社会保険料控除が可能。一方、会社を設立した場合、社会保険料は労使折半です。法人では損金、個人は社会保険料控除。

 

起業したばかりの状況では節税よりもキャッシュフローを管理することが大切になってくると思います。そのなかで、社会保険料をいかに低く抑えることができるかは、事業を成功させるポイントの一つになるのではないでしょうか。

 

起業して、1人株式会社を設立し事業を開始するのであれば、社会保険料の負担、個人所得税の負担、個人住民税の負担、法人税の負担のあらゆる方面からの必要経費をできる限り低く抑えることのできる方法を考えてみることをお勧めします。