【不動産】家賃・礼金・敷金の収益計上タイミング

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

顧問税理士のいない不動産オーナーの方は、ご自身で確定申告をしていると思います。

そんな時に、迷うであろう収益計上のタイミングについてご紹介します。

家賃収入の計上タイミング

個人事業主の方は、1月から12月までの家賃収入を収入として計上する必要があるため、例えば、5月分の家賃を4月に受け取るのであれば、収益計上のタイミングに悩むことはないと思います。

悩むのは、年末(12月)に翌年1月分の家賃を受取った場合の取扱いです。

このような場合に家賃の収益計上のタイミングが問題になります。

家賃については契約書において、いつまでに〇月分を支払うこと、といった「支払日」が定められているケースが多いと思います。

この場合は、契約で支払日が定められていることになるため、契約日に収益計上します。

つまり、X+1年1月分の家賃の支払日がX年12月末と契約で定められているのであれば、原則として、X年の収入として計上する必要があるのです。

家賃の収入計上タイミング

・契約又は慣習により支払日が定められているものについては、その支払日

支払日が定められていないものについてはその支払いを受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)

例外:継続的な記帳に基づいて不動産所得の金額を計算しているなどの一定の要件を満たす場合には、その年の貸付期間に対応する賃貸料の額をその年分の総収入金額に算入することが認められています。

例外処理の場合、X+1年1月に受け取る家賃を、前受収益等の勘定科目で継続的に経理処理することが必要です。

節税ポイント

翌年分を前受収益として経理処理することで、節税ができます。

前受収益は、翌年の収入として計上されるため、1年間課税を繰り延べることが可能となります。

X+1年1月分の家賃収入を、X年の収入として計上するか、X+1年の収入として計上するのか、ということです。

収入として計上する時期が遅くなればなるほど、税務上はお得です。

経理処理は面倒ですが、「例外処理」をお勧めいたします。

礼金の収入計上タイミング

礼金は礼金として受取った後は返す必要がないものですので、収入として計上する必要があります。

礼金の収入計上タイミング

・賃貸物件の引渡のあった日

または

・賃貸借契約の効力発生の日

例外:引渡しを要するものについて契約の効力発生の日に収入として計上して申告することも認められています。

敷金の収入計上タイミング

一般的に、敷金を受取った場合は収益計上する必要はありません。

敷金は将来的に借主に対して返還することが予定されている(⁼貸主が借主から預かっている)ものであるためです。

ただし、契約内容によっては敷金の一部を収益計上する必要があるので注意が必要です。

敷金のうち返還不要の部分(⁼敷金のうち償却が予定されている部分)を収益計上する必要があるのです。

例:敷金100万円。ただし、20%は償却し、80%は賃貸借契約終了時に返還。

このような賃貸借契約になっている場合、20%相当の20万円は、賃貸物件の物件の引渡のあった日又は契約の効力発生の日に収益として計上する必要があります。

敷金や保証金等の収益計上のタイミングは以下の通り定められています。

1.不動産の貸付期間の経過に関係なく返還を要しないもの

先ほどの例のように、不動産の貸付期間に応じることなく、敷金の20%は返還しません、償却しますと契約書上に記載がされている場合のことです。

収益計上のタイミング

・賃貸物件の引渡のあった日

または

・賃貸借契約の効力発生の日

例外:引渡しを要するものについて契約の効力発生の日に収入として計上して申告することも認められています。

2.貸付期間の経過に応じて返還不要となる部分

敷金の一部を償却するには償却するものの、賃貸借契約期間に応じて、償却割合が定められているケースがあります。

敷金のうち20%は償却する。1年目は10%、2年目は5%、3年目は5%。

という契約内容の場合、1年目に10%、2年目は5%、3年目は5%を収益計上することになります。

収益計上のタイミング

・貸付けに係る契約に定められたところにより、返還を要しないこととなった日

3.不動産の貸付期間が終了しなければ返還を要しないことが確定しない部分がある場合

不動産等の貸付期間が終了しなければ、返還を要しないことが確定しない部分の金額がある場合において、貸付期間が終了したことに伴い、返還を要しないことが確定した金額

収益計上のタイミング

不動産等の貸付が終了した日

まとめ

家賃、礼金、敷金(返還不要部分)の収益計上時期について確認してみました。

家賃の支払いについていえば、「前受収益」として経理処理しているだけで課税を繰り延べることが可能です。

一見簡単に見える、不動産の家賃収入の計上タイミングですが、実は例外処理の方がお得だったりするというケースは数多くあります。

現状の処理が本当にお得なのか、損していないのか等の検討を一度してみてはいかがでしょうか。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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