経理と財務と会計事務所

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

今日はバックオフィス=経営管理のお話です。

バックオフィス・経営管理とは、一般的にはコンプライアンス(法令)を遵守し、経理、財務、法務、労務等の機能を提供するサービスを指します。

タイトルにも記載した通り、バックオフィス・経営管理業務は、直接的に会社の売上には結びつきませんが、会社の成長を中長期的に支える縁の下の力持ちなポジションです。

経理(アカウンティング)と財務(ファイナンス)

公認会計士・税理士が直接的に関与する業務としての経営管理業務は、大きく分けて2つにわけることができます。

まず、この2つの内容を区別することが重要です。多くの中小企業やベンチャー経営者の方は、公認会計士・税理士事務所に業務を依頼すれば全ての業務をお願いできると考えているケースが非常に多く、期待ギャップが生じる場面だからです。

経理(アカウンティング)とは?

皆様が想像している経理業務です。

会計基準や税法に基づいて、会社の経済活動を帳簿に落とし込む作業です。

ベンチャー企業やスタートアップにおいては、経営陣が分担して、試行錯誤しながら業務を行っているケースが多いです。

財務(ファイナンス)とは?

経理(アカウンティング)は一般に知られているような、いわゆる経理でした。

一方で財務(ファイナンス)とは、資金管理や、事業計画機能を取り仕切る機能を指します。ベンチャー、スタートアップでいえば、事業計画書の作成、資本政策の検討、予算・実績の管理等です。

スタートアップやベンチャー企業では、一般的に事業計画書を作成し、作成した事業計画書を元に投資家へのプレゼンを行います。投資家が納得する成長ストーリーの根拠となる部分が事業計画書となります。

経理(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の違い

経理(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の決定的な違いとしては、経理(アカウンティング)が過去情報を法令に遵守して整理することであり、財務(ファイナンス)は現在から将来を検討するという点です。

つまりは時間軸、見ている方向が異なるということです。

優先すべきは経理業務の整理

経理(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の違いでコメントした通り、両者の違いは、時間軸の違いです。

一般的に、過去情報を参考にして、将来の予測を立てることになります。

自社のどのような情報があり、どのように管理されているのか把握できていない状況では、将来の予測を立てることは難しいということです。

会社によってお金の使い方は様々です。交通費の多い会社、交際費の少ない会社、外注費の多い/少ない、設備投資の多い/少ない等。

もちろん製造業であれば、設備投資も外注費も多いことは想像がつきますが、それは想像でしかありません。この想像を客観的にも理解可能なレベルにするためには、過去の実績に基づいた自社としての傾向を把握する必要があります。

自社の現状を把握しない限りは、将来の情報を高度な確率で予測することは不可能だということです。ゆえに、まず行うべきは財務(ファイナンス)ではなく経理(アカウンティング)ということになります。

ちなみに、多くの税理士事務所がサービスとして掲げている「記帳代行」は、法令を遵守した会計帳簿を作成することを意味しています。経理情報に基づいて税務申告等を行うことになります。一般的な税理士事務所との顧問契約は法令に基づいて必要とされている業務のお手伝いを指していると思います。少なくとも、澤田公認会計士・税理士事務所はそうです。

財務(ファイナンス)も重要

経理(アカウンティング)が整ってきたのであれば、財務(ファイナンス)にも注力できます。事業計画や資本政策、月次の予算と実績の管理等のファイナンス業務は経理(アカウンティング)がしっかりとした情報を提供してこないかぎり有名無実な存在になってしまいます。

予算と実績の管理をするためには、予算を作成する必要がありますし、実績を把握する必要もあります。さらに、予算と実績の差異は各月が終了してから、速やかに把握する必要があります。情報の鮮度が落ちるからです。

不確実性の高いスタートアップ、ベンチャー企業では、事業計画や資金計画は随時見直しが行われるため、その都度ごとに素早い対応が求められることになります。

財務(ファイナンス)は企業が成長するためには、非常に重要な機能です。数字に基づいて経営判断をくだす会社と、感覚で経営判断をおこなう経営者、どちらがよいでしょうか。

長嶋監督のように感覚派の方が好きだ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、数字を根拠に成長ストーリーが語れる、投資判断ができる方が、成功確率は高くなるはずです。

成長判断に必要不可欠な情報を取り扱うのが、財務(ファイナンス)の役割となるのです。

未来の情報を取り扱い、将来の経営判断に資する意思決定情報を提供する重要なポジションです。

ちなみに、財務(ファイナンス)は多くの税理士事務所では顧問契約には含まれていません。澤田公認会計士・税理士事務所では社外CFOとして財務(ファイナンス)のお手伝いをさせていただいております。

いつどのタイミングが良いの?

経理(アカウンティング)と財務(ファイナンス)はいつから準備したらよいのでしょうか。

経理(アカウンティング)をきちんと行うためには、顧問税理士と契約することをお勧めします。それでは税理士といつ契約するのか?に対する回答ですが、これは早めです。早ければ早いほどいいと思います。私は帳簿がぐちゃぐちゃな会社を何件も見てきました…中には現金がマイナスで計上されている決算書もありました。手元の現金がマイナスになるということは基本的にはありません(手元にある現金がゼロになったら、あげる現金がなくなってしまうので)。

財務(ファイナンス)は、会社が成長軌道に乗ってきたなと思うタイミングが最適ではないかと私は考えます。

会社が成長軌道に乗ってきた=新たな設備投資が必要、新たな資金需要が生じる、管理すべき項目が更に増えるという状態です。この投資を実行していいのか、少し待つべきか?というタイミングで財務担当者等を選任することが良いのではないでしょうか。数字に基づいて経営判断を行うことが可能になります!

まとめ

経理と財務、耳にはするが具体的に何をしているのかよくわからない、全部税理士事務所が役割を担ってくれないの?というお声をいただいたので、記事にしてみました。

一般的な税理士事務所は、経理(アカウンティング)のサポートと税務申告が顧問契約に包含されているケースが多いです。一方で、管理会計や予実管理等のサポートが必要であれば、そのサポートをしてもらえるのか確認するようにしましょう。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
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【主な業務内容】
スタートアップ支援
事業承継対策
M&Aサービス
税務顧問業務
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

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