当期利益=現金増加額ではない。ズレの原因はイロイロ。資金繰りが重要。

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

お客様と決算期前には打合せするようにしています。

そこで、たまに質問されることとして、

今期の利益=現金増加額

でいいんですよね?という質問をうけることがあります。

それが残念なことに、一致することはあまりありません。いや、一致することはないと言ってもいいのかも。

利益=現金増加額にならない理由

利益=現金増加額にならない理由にはいくつかあります。

1年間の利益を計算するのが、「損益計算書」です。

この利益の中には、掛売上である売掛金、掛仕入れである買掛金等による売上、仕入が混ざっています。

この「掛」というものは、まだ支払いが完了していない、入金が終わっていないものになります。

全て現金取引である場合、このようなズレが生じることはないと思いますが、掛売上や掛仕入があることで、利益=現金増加額にならないのです。

他にも、利益=現金の増加額にならない理由はあります。

例えば、

・固定資産を購入した場合

・保険に加入した場合

・別の会社に出資した

・借入金をしたor借入を返済した

このようなものがあると、利益=現金増加にはなりません。

現金の動きを見るのは資金繰表とキャッシュフロー計算書

損益計算書の動きと、キャッシュフローの流れはバラバラなのです。

まずはこの理解ができていないと、利益がでたのに思った以上に現金が増えていない・・・という状況になってしまいます。

ということは、利益とキャッシュフローは一致しないという大前提の上で、ものごとを考えた方が良いです。

いわゆる黒字倒産というものをご存知でしょうか?

利益がでているものの、現金がない…という状態で、支払わなければならないものを支払えず倒産というものです。

黒字倒産を避けるためにも、キャッシュフロー計算書もしくは資金繰り表が重要になるのです。

損益計算書には借入の影響は反映されない

金融機関からの借入をした場合や金融機関からの借入金を返済した場合は、損益計算書には表示されません。

借入金は、貸借対照表の負債の部に計上されます。

負債の部は、貸借対照表の右上部分です。

借入金を返済した場合は、負債の部に計上してある借入金の額が減るだけです。損益計算書には影響ありません。

勘違いしやすいケースとしては、借入金を返済すれば、利益が出ないと思っているケースになります。

利益と同じぐらい資金繰りは重要

利益=現金の増加とはならないため、利益計画と同じぐらい、いや利益計画以上にキャッシュフロー計算書もしくは資金繰り表が重要になります。

スタートアップの経営者の方は、利益に目が行きがちですが、会社に資金がなくなったら会社を存続させることができません。

利益を出すのは、もちろん重要ですが、資金繰りの重要性に気付いていただけたでしょうか。とにかく手元の現金をゼロにしないこと、それが全てです。

まとめ

利益の管理と同じぐらい、キャッシュフロー、資金繰りの重要性を理解していただけましたでしょうか。

売上を計上しただけでは、意味がありません。売掛金の回収までがお仕事です。会社が急成長すればするほど、売上と資金繰りの間に乖離が出てきます。その時こそしっかりとキャッシュフロー管理をするようにしましょう。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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