生命保険は節税には使えなさそう!パブリックコメントが公表されました。

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

生命保険で節税しよう!!

そうか、生命保険に加入すれば節税ができるならどんどん入ろうという方が多かったので、取り扱いを変更しますよというお達しがでていました。

ただ、いつから、どうやって変更になるのか?という一番大事な部分が今まで公表されていなかったのです。

今回、これからはこのような方針で、生命保険の税務上の取扱いを進めていこうかなと思うよという案が公表されたのです。

その案がこちらです。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000186086

なぜ改正されたのか?

簡単に言ってしまえば、保険の種類が多すぎて取扱い方法を統一的に定めることができない。似た商品であっても税務上の取扱いが異なるから統一したい。というニーズがあったためです。

保険料とは言えども、将来の支払保険料の前払い、つまり保険期間後期における保険料に充当される部分が含まれているものがあり、期間損益計算という観点から望ましくない保険が販売されていました。

①保険会社各社の商品設計の多様化や長寿命化等により、それぞれの保険の保険料に含まれる前払部分の保険料の割合にも変化が見られる

②類似する商品であっても個別通達に該当するか否かで取扱いに差異が生じている

③前払部分の保険料の割合が高い同一の商品であっても加入年齢や保険期間の長短により取扱いが異なる

④第三分野保険のうち個別通達に定めるもの以外はその取扱いが明らかではなかったことから、各保険商品の実態を確認して、その実態に応じた取扱いとなるよう資産計上ルールの見直しを行うとともに、類似する商品や第三分野保険の取扱いに差異が生じることのないよう定期保険及び第三分野保険の保険料に関する取扱いを統一する

改正の内容

定期保険や第三分野保険の、前払部分の保険料が相当多額と認められる場合を除き、期間の経過に応じて損金することになります。

今回の改正は、支払保険料に前払い部分が相当多額に含まれているのか、という点がポイントです。

前払い部分の保険料が相当多額に含まれている定期保険等の取扱いが、以下のよう変更になるようです。

保険契約の解約返戻率に着目し、3つに場合分けをしています。

先に結論を申し上げると、最高解約返戻率が85%を超える場合は、支払保険料のほとんどを資産計上する必要があり、節税の余地が全くなさそうです…

最高解約返戻率が 50%超 70%以下となる場合

保険期間の4割の間は、支払った保険料の4割を資産計上。残り6割は損金計上。

保険期間の開始から保険期間の 100 分の 40 に相当する期間(資産計上期間)においては、支払った保険料の額のうち、その金額に 100 分の 40 を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した金額については、保険期間の 100 分の 75 に相当する期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

(注) 被保険者一人当たりの年換算保険料相当額(保険期間中における支払保険料の総額を保険期間の年数で除して計算した金額をいいます。)が 20 万円以下のものについては対象としないこととします。

最高解約返戻率が 70%超 85%以下となる場合

保険期間の4割の間は、支払った保険料の6割を資産計上。残り4割は損金計上。

保険期間の開始から保険期間の 100 分の 40 に相当する期間(資産計上期間)においては、支払った保険料の額のうち、その金額に 100 分の 60 を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した金額については、保険期間の 100 分の 75 に相当する期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

ハ 最高解約返戻率が 85%超となる場合

支払った保険料の最大9割を資産計上。残り1割のみが損金計上。

保険期間の開始から、最高解約返戻率となる期間(当該期間経過後の各期間において、その期間における解約返戻金相当額からその直前の期間における解約返戻金相当額を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が 100 分の 70 を超える期間がある場合には、その超えることとなる最も遅い期間)の終了まで(資産計上期間(※))においては、支払った保険料の額のうち、その金額に最高解約返戻率の 100 分の 70(保険期間開始から 10 年を経過するまでは、100 分の90)を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した額については、解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

いつから新通達が適用?

経過的取扱いとして、〇〇元年〇月〇日以後の契約に係る定期保険又は~とあります。○と表示されているため、いつからとは明確に規定されてはいません。

ただし、○○元年○月○日以後と記載されているため、既に契約を締結済のものについては、今のところ遡及修正はされないように見受けられます。

まとめ:生命保険で過度な節税は難しい

支払保険料の全額もしくは半分が損金計上でき、なおかつ、解約返戻金を多額に戻ってくるという節税商品が巷にあふれていました。

今回の国税庁のパブコメでは、解約返戻率により、支払った保険料の資産計上すべき割合と損金計上できる割合を定めました。これにより、生命保険を活用した節税は難しくなったのではないかと私は感じています。とはいえ、今までの過度な節税を基準にしたら難しくなるだけであって、返戻率が85%以下であれば4割は損金にすることができるので、まぁそれはそれで意味があるのかなと。

福利厚生目的や退職金の積み立てとして生命保険を活用していくことになるのかなと思われます。

とにかく、生命保険、節税には使えなさそう!

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

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