【確定申告】申告期限(2018年3月15日(木))に間に合わないとどうなる?

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

2018年が目前に近づいてきました。

フリーランス、自営業の方は2017年の確定申告時期ですね。

確定申告シーズンに突入する前ですが、確定申告が期限内間に合わなかった場合のデメリットをご紹介します。

申告期限までに確定申告書を提出していないケースを期限後申告と呼んでいます。

デメリット①:青色申告の特典が使えない

青色申告者の特典の一つである、「65万円の青色申告特別控除」が使えません。

ちなみに、65万円の特別控除の要件は以下の通りとされています。

  1. 不動産所得、事業所得を生ずべき事業を営んでいること
  2. 正規の簿記の原則(複式簿記)で記帳していること
  3. 貸借貸借表と損益計算書を確定申告書に添付し、法定申告期限内に提出していること

法定申告期限内に確定申告書を提出しなければ、65万円の特別控除が適用できないのです。

フリーランス・個人事業主の方にとって、55万円(65万円-10万円)の差はかなり大きいはず。

節税額で言えば、55万円×税率(仮に20%だとすると、10万円!)も金額に影響があります。

これだけでも期限内申告をする気になりますよね。

【青色申告の特別控除額の65万円と10万円について記載しています】

https://swd-tax.com/2017/09/07/post-1349/

デメリット②:青色申告の取り消し

青色申告関係では、2年連続で期限後申告になると、青色申告そのものと取り消しになってしまいます…当然、青色申告の特典が使えなくなります。

青色申告の代表的なメリットとしては以下のものがあります。

・青色申告特別控除

先ほどの65万円または10万円を所得から控除できる制度です。

・青色事業専従者給与

親族に支払った報酬を届出書に記載した範囲内で経費とすることができる制度です。

フリーランスの方が青色申告の届出書を提出している場合、一定の要件を満たせば配偶者に給与を支払うことで経費を増やすことが可能です。その結果、節...
青色申告のメリットの1つとして、「青色事業専従者給与」というものがあります。 メリット 簡単に言えば、家族に仕事を手伝ってもらっている場合に...

・貸倒引当金

売掛金等のうち、貸倒れによる損失の見込み額を一定金額引き当てた場合にはその金額が必要経費に算入できる制度です。

節税。 フリーランスの方が気になっているキーワードの一つだと思います。 簡単にできる節税の1つをご紹介いたします。 貸...

・純損失の繰越しと繰戻し

事業所得等により損失がある場合位は、損失を以後3年間繰り越すことができる制度です。

青色申告特別控除が適用できなくなりますし、デメリットしかありません…

デメリット③:罰金を税務署から要求される

確定申告書を期限後に提出すると、税務署からペナルティとして罰金を要求されます。このペナルティ、結構重たいです。

ペナルティについてはこちらに記載しています。

税務調査で申告漏れが多い業種が国税庁のホームページで公表されています。例年似たような業種がランキングの上位を占めていますが。今回はプログラマーが第3位にランクインしていました。申告漏れが多い業種と申告漏れが生じた場合の税務上のペナルティについて紹介します。

無申告加算税

申告書を提出していない場合に課される税金です。

提出時期によって、ペナルティの税率が変わってきます。

税務調査の通知前

無申告加算税5%が課されます。

【例】

納税額が100万円の場合

無申告加算税は5万円です。100万円×5%。

合計で105万円を税務署に納付する必要があります。

税務調査の通知以後、更正・決定予知前に期限後申告書を提出した場合

10%の無申告加算税が課されます。ただし、納付すべき税額が50万円を超える場合には、超える金額について15%税率で無申告加算税が課されます。

【例】

納税額が100万円の場合、無申告加算税は、50万円×10%+(100万円ー50万円)×15%=12.5万円。

合計で112.5万円(100万円+12.5万円)を税務署に納付する必要があります。

期限後申告・決定等があった場合

15%の無申告加算税が課されます。ただし、納付すべき税額が50万円を超える場合には、超える金額について20%税率で無申告加算税が課されます。

【例】

納税額が100万円の場合、無申告加算税は、50万円×15%+(100万円ー50万円)×20%=17.5万円。

合計で117.5万円(100万円+17.5万円)を税務署に納付する必要があります。

延滞税

延滞税とは、いわゆる、利息です。

税金を納めていない→税務署から納税者にお金が貸し付けられていた、と考えるわけです。

延滞税は、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。

延滞税率は平成29年と平成30年は以下の通りとされています。

平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、年2.6%(納期限の翌日から2月経過後は8.9%)
平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は、年2.7%(納期限の翌日から2月経過後は9.0%)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/osirase/9205.htm

まとめ

確定申告書を期限内に提出しなかったがために、青色申告の特典が利用できなくなるだけでなく、税務署から罰金までも要求されてしまいます。

自分はバレないと考えているフリーランス・個人事業主の方が非常に多いです。そしてこのような方に限って、節税が~とおっしゃる傾向があります。

節税の前に、無駄な税金を支払わないことが大事だと理解してくださった方が1人でもいれば幸いです。

2017年分の確定申告はこれからです。なんとしてでも期限内申告ができるように頑張りましょう。

愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
中小企業のM&A、事業承継、スタートアップ支援を得意としています。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。

代表プロフィール

【主な業務内容】
スタートアップ支援
事業承継対策
M&Aサービス
税務顧問業務
スポット対応
個別コンサルティング業務

◇メール、チャットワーク対応がメインの顧問契約「コスト重視プラン」始めました。

このような方がコスト重視プランの対象です

・毎日忙しく、税理士と面談する時間がない
・直接会って面談するよりも、メールやチャットで気軽に質問できるほうが望ましい
・別に税理士には会わなくていいので安くしてほしい

といった要望にお応えし、コスト重視プランを始めました。



公認会計士・税理士澤田憲幸に問い合わせしてみる

はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。
PAGE TOP