【仮想通貨】国税庁からFAQ第2弾が公表されました

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

11月21日に国税庁より、「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」が公表されました。

昨年12月に公表された「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」は所得税に関しての情報でしたが、相続税や贈与税の取扱いについても記載がされています。

今回追加されたもの(一覧)

今回のFAQで新たに追加されたものは12個です。

所得税関係

8 仮想通貨の必要経費

9 年間取引報告書を活用した仮想通貨の所得金額の計算

10 年間取引報告書の記載内容

11 仮想通貨の取得価額の計算方法の変更

12 仮想通貨の購入価額や売却価額が分からない場合

相続税・贈与税関係

15 仮想通貨を相続や贈与により取得した場合

16 相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法

源泉所得税関係

17 仮想通貨による給与等の支払

消費税関係

18 仮想通貨を譲渡した場合の消費税

法定調書関係

19 財産債務調書への記載の要否

20 財産債務調書への仮想通貨の価額の記載方法

21 国外財産調書への記載の要否

所得税:必要経費の例示があるのが有難い

「8 仮想通貨の必要経費」では、仮想通貨の必要経費についてのQAが記載されています。

仮想通貨の売却による所得計算上、必要経費になるものが例示されています。

・売買した仮想通貨の取得価額

・売却の際に支払った手数料

この2つは昨年12月に公表された「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」においても記載がありました。

今回注目すべきは、以下が経費計上できるとFAQにおいて明示されている点です。

・インターネットやスマートフォン等の回線利用料

・パソコン等の購入費用

仮想通貨の売却のために必要な支出であると認められる部分の金額に限り必要経費に算入できます。

パソコン等の使用期間が1年以上にわたり、一定金額以上の試算は減価償却をする必要がある点は、昨年私も記事にさせていただいています。

【確定申告】雑所得でもPCは減価償却計算が必要(2018年2月7日)

税理士に税金計算を依頼していない方は、減価償却を行わず、全額経費に計上してしまっている方も多いのではないでしょうか。

そのような方は税務調査で指摘されると思っていたほうが良いです!ちなみに、知らなかったでは許してもらえません。

年間取引報告書

「9 年間取引報告書を活用した仮想通貨の所得金額の計算」と「10 年間取引報告書の記載内容」では年間取引報告書を活用した仮想通貨の所得金額の計算と記載内容についてです。

年間取引報告書の記載内容を確認してみます。

①年始数量 :その年の1月1日現在の仮想通貨の保有数量

②年中購入数量:その年の仮想通貨の購入数量

③年中購入金額:その年の仮想通貨の購入金額

④年中売却数量:その年の仮想通貨の売却数量

⑤年中売却金額:その年の仮想通貨の売却金額

⑥移入数量:その年に購入以外で口座に受け入れた仮想通貨の数量

⑦移出数量:その年に売却以外で口座から払い出した仮想通貨の数量

⑧年末数量:その年の12月31日現在の仮想通貨の保有数量

⑨損益合計:その年の仮想通貨の証拠金取引の損益の合計額

⑩支払手数料:その年に仮想通貨交換業者に支払った支払手数料の額

等の情報が記載されています。そのため、国内の取引所のみで仮想通貨の売買を行っているのであれば、年間取引報告書の内容を国税庁HPに掲載されている「仮想通貨の計算書(総平均法用)」に入力することで、仮想通貨の所得金額を計算することが可能です。

仮想通貨の取得価額の計算方法の変更

個人的に一番びっくりしたのが、このFAQです。

移動平均法で計算していたものを、総平均法の計算方法に変更可能というもの。

その前提としては、今後の申告で「総平均法」を継続することが条件として挙げられています。

しかも、移動平均法から総平均法に変更するのであれば、「年始の仮想通貨の数量・取得価額」は、「移動平均法で計算した前年末の仮想通貨の数量・取得価額」を使用してOKとのこと。

前期以前から総平均法で計算のやり直しだろうなぁ、、手間がかかるなぁと考えていたところに神アンサーです。

そんなことが可能なのかと。いずれにしても仮想通貨所得の計算は大変なんですが…

仮想通貨の購入価額・売却価額が不明な場合の取扱いまで

「12 仮想通貨の購入価額や売却価額が分からない場合」では、購入価額や売却価額がわからない場合の確認方法が紹介されています。

■国内の取引所

国内の取引所であれば、仮想通貨交換事業者から「年間取引報告書」が平成30年1月1日以後の仮想通貨取引については交付してもらえます。

■国外の仮想通貨交換業者や個人間取引の場合

銀行口座の出金状況や入金状況から仮想通貨の購入価額や売却価額を確認できます。

これが何を意味するとかというと、購入価額や売却価額がわからないから申告しませんでした。というのは許しません。

わざわざFAQで確認方法を記載しているのだから、必死に計算しろ確定申告しろよ、という国税庁の声が聞こえてくるのは私だけでしょうか。

わからないから申告しないは許されないと考えたほうがよいです。実際に、税務調査に入られた方からのご相談も多数いただいております。皆さん、しっかりと申告しておけばよかったとおっしゃっています。

財産債務調書と国外財産調書

「19 財産債務調書への記載の要否」、「20 財産債務調書への仮想通貨の価額の記載方法」、「21 国外財産調書への記載の要否」においては、場合によっては確定申告時に提出が必要になる可能性のある財産債務調書と、国外財産調書についてです。

仮想通貨は財産債務調書の対象

仮想通貨は財産債務調書の記載対象です。国外の取引所で保有している仮想通貨であっても、財産債務調書に記載する必要があります。

仮想通貨は、「その他の財産」としてビットコイン、イーサリアム等の種類ごとに記載することになります。基本的に金額は12月31日時点の時価で記載することになります。

【仮想通貨】確定申告時に財産債務調書の提出が必要な人も!

【税務調査】財産債務調書を適正に記載しないとこうなる/イワシさん【仮想通貨】

国外財産調書は対象外

仮想通貨は国外財産調書の対象にはなりません。

仮想通貨は、国外送金等調書規則第12条第3項第6号の規定により、財産を有する方の住の所在により「国外にある」かどうかを判定する財産に該当します。また、国外財産調書は、居住者の方が提出することとされています。

したがって、居住者の方が国外の仮想通貨取引所に保有する仮想通貨は、「国外にある財産」とはなりませんので、国外財産調書の対象にはなりません。

相続税・贈与税関係

「15 仮想通貨を相続や贈与により取得した場合」や「16 相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法」の取扱異についても掲載されています。

仮想通貨を相続や贈与で取得した場合にには、相続税や贈与税が課されてしまいます。

仮想通貨は、決済法上、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」と規定されていることから、被相続人等から仮想通貨を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されるようです。

相続や贈与で仮想通貨を取得した際の評価方法は、基本的に直によって計算することになりますが、時価の計算方法は所得税と同様です。活発な市場がある場合は市場相場、活発な市場がない場合は個別評価…

【仮想通貨】相続税の課税対象であることが明らかに…残念

まとめ

仮想通貨市場が2018年で最大級に冷え込んでいる中でのFAQの公表でした。FAQが充実しても、仮想通貨取引を行っている人の数や利益を得ているであろう人の数は減っているような…

とはいえ、2016年頃から仮想通貨取引をしていた方などは、まだまだ含み益状態です。

税務署としても適正に申告してほしいという気持ちが強いのでしょう。おそらく2017年の仮想通貨の確定申告の提出数が想定以上に少なかったためFAQを充実させたような気もします。

今回紹介したもの以外に、消費税や源泉税の取扱いも掲載されていましたが、基本的な取り扱いは所得税、相続税及び贈与税の考え方と同じです。

仮想通貨に関する税務調査で困っているという方からも沢山相談をいただきました。ただ、無申告や海外売上除外を指摘された事に対するヘルプは相当難しいです(悪いのは明らかに無申告や申告除外をしたご自身なので…)。税務調査に入られて狼狽するのであれば、事前に適正な申告を行うことをお勧めいたします。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
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はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

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