こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
以前もお伝えさせていただいた、メタップスの仮想通貨の会計処理に関して追加情報がありましたのでご紹介させていただきます。
2018年2月時点での処理はこちらをご参照ください。
韓国子会社のICOの会計処理について追加決定事項公表された
メタップスの連結子会社である、Metaps Plusは2017年11月にICOを実施している。
Metaps PlusはICOを実施することで、独自の仮想通貨である「Pluscoin(PLC)」を発行しています。
今までのPLCの会計処理
PLCの会計処理は、基本的には他の仮想通貨と区別することなく、次のように処理されていました。
CoinRoom保有分:棚卸資産
トレーディング目的の棚卸資産として計上し、四半期末時点で公正価値評価を実施。差額は損益として計上。
それ以外のもの:無形資産
無形資産として計上
今回のお知らせ
監査法人からPLCの会計処理について再度の検討の提案が2018年7月2日にあり、検討を開始しました。その結果として、今回のお知らせが公表されています。
変更点:CoinRoom分も無形資産
従来は、CoinRoom保有分はトレーディング目的ということで、棚卸資産に計上していたCoinRoom保有分PLCが無形資産として認識されることになりました。
主な理由は以下の通りです。
- 自社及び自社の関係会社が発行した仮想通貨は、その他の仮想通貨とは異なり、交換所での売買だけではなく、外部交換所へ上場させる際の手数料として支払い手段のように使用することがある
- 交換所で保有しているのでトレーディング目的、と単純に結びつけることもできない
- よって、PLC の保有目的はトレーディング目的ではないと判断
- 会計方針に従って無形資産として認識する
影響額
棚卸資産→無形資産に振り替えられているので、資産総額に大きな影響です。
棚卸資産として計上されていた CoinRoom で保有する PLC 348 百万円が、無形資産ゼロ円に、PLC の評価益は取り崩し、売却益は繰延収益に振り替えされたようです。
まとめ
仮想通貨を取り巻く会計処理は本当に探りの様子です。
上場会社系列で初めてICOを実施したインパクトはやはり大きいですね。仮想通貨の取引については会計基準に規定されていなおので、監査法人も探り探り、メタップスもさぐりさぐり、という状況でしょうし。
仮想通貨を取り巻く個人の確定申告も、民間の企業が仮想通貨損益計算ソフトを開発してはいますが、全てのパターンに対応できているわけでもないようです。
仮想通貨に係る、会計処理・税務処理方法がより簡潔でわかりやすいものになることを願っています。
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