こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
先日、金融庁が公表した、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書が興味深かったので記事にしてみます。
”金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について金融審議会「市場ワーキング・グループ」(座長 神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)においては、平成30年9月より、計12回にわたり、「高齢社会における金融サービスのあり方」など「国民の安定的な資産形成」を中心に検討・審議を行って来ました。”
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
報告書のまとめ:2000万円足りない
報告書の中では、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯では、毎月平均5万円の収支不足が生じているとのこと。
収支の不足分としての5万円は、自分たちで資産形成をしておかなければ取り崩すこともできないということです。
ちなみに、平均的な無職世帯の収入と支出は、
収入:209,198円
支出:263,718円
らしいです。確かに約21万円の収入に対して支出が26万円だと毎月5万円不足しています。
当然、収入は年金(無職世帯を想定しているので当然ですが)です。この状態が続くと、人生100歳まで生きる場合には、5万円×年数分だけ不足が生じるということです。
金融庁のレポートでは、今後30年の人生があるとすれば、単純計算で2000万円が必要と試算されています。
つまり、男性であれば65歳になった時点で少なくとも2000万円の金融資産がないと、生活資金が尽きてしまうということになります。おそろしい。
2000万円は最低限必要な金額だと思われる
この2000万円というものは、現在時点での試算です。
物価がどんどん上昇して、想定していた以上のインフレがやってくるかもしれません。
もらえる年金が減るかもしれません。
医療費が予想以上に係るかもしれません。
様々な事象が、想定以上だった場合はこれ以上の資金が必要になります。
孫と旅行に行くにはお金が必要ですし、病気のリスクは怖いですし、何より100歳以上生きるかもしれません。
65歳に無収入にならない生き方を考える
トヨタでさえ、終身雇用は難しいといった趣旨の発言をし始めています。終身雇用が難しいということは65歳までも企業に雇ってもらえないということを意味します。
金融庁の試算は一般的な会社員として65歳で定年した方です。
65歳から無収入で2000万円です。
終身雇用が難しいと大企業が言っています。となると、2000万円の貯蓄では到底太刀打ちできないのではないか?ということです。
今の勤務先から、明日から来なくていいよ、と言われても途方にくれないようにする。
65歳から収入がゼロになりそうなのであれば、今から不動産投資等をし、将来キャッシュフローが入ってくるような対策をする、といったように今できることを考えてみる必要があります。
自分の生活ではいくら必要なのか?
そもそも2000万円は、1月の支出が26万円のモデルケースの方の場合です。
今の生活で、月々いくら支出があるか把握していますか?
ほうほう、2000万円貯蓄があれば大丈夫なんだな、と安心していてはいけません。自分に当てはめて検証してみることが重要です。
今までの長いサラリーマン生活が終わり、行きたくても行けなかった旅行に行きたくなるかもしれません。
日常で自由に使える時間が増えたため、趣味の時間が増え支出が増えるかもしれません。
今の自分の生活水準×年数だけ貯蓄があれば十分というわけでもなく、+αの貯蓄がなければ自由な老後の生活が送れないということです。
資金管理は重要
プライベートの生活費のお話をしてきましたが、本件についての問題点は65歳以降に年金以外の収入がゼロになることが一番の問題だと思います。
人生100年時代と言われている中、65歳からは100歳までは35年もあります。
35年といえば、私がいままで生きてきた年数とほぼ同じです。それだけの時間があれば、やれることは無限にあるはずです。何かしら自分でお金を稼ぐ経験を積み重ねていくのが重要なのではないでしょうか。
そのためには、今の生活水準ではいくら支出があるのか、老後はどのような生活を送りたいのかということについてゆっくり考える時間が重要なのではないでしょうか。ゆっくりと考えたのちに、現在あるべき資金と、理想の差額をいかに埋めていくのかということを考えればよいのです。副業するもよし、転職するもよし。
まとめ
人生100年時代と言われて久しいです。
100年の内、3分の1は国からの年金に頼っていて良いのでしょうか。
すぐに定年がくるわけではありません。人によって定年まで残された時間は様々ですが、定年後は収入がなくなるという事実が分かっている以上、何かしらの対策をすべきではないでしょうか。
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