こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
所得税法上の仮想通貨の取扱いに続き、仮想通貨に関する会計処理についても、当面の取扱いが企業会計基準委員会より公表されました。
<税務上の取扱いはこちらをご覧ください>
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仮想通貨の会計処理について最低限の項目について明らかにされている
2017年10月29日に、仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱いの原案が明らかにされたことをお伝えさせていただきました。12月5日に当該取扱いが決定されました。正式決定は2か月後の様子。
期末評価方法
活発な市場の有無で、期末評価方法が異なります。
活発な市場がある場合
・市場価格に基づく価額を仮想通貨の貸借対照表価額とする
・市場価格として、取引価格を用いる場合は、通常使用する自己の取引実績の最も大きい仮想通貨取引所又は仮想通貨販売所における取引価格(取引価格がない場合には、仮想通貨取引所の気配値又は仮想通貨販売所が提示する価格)を用いる。適用する取引価格は、保有する仮想通貨の種類ごとに自己の取引実績等を勘案して検討する。
・市場価格に売却に係る付随費用は含めない
・帳簿価額との差額は当期の損益に計上
活発な市場が存在しない場合
・取得価額をもって貸借対照表価額とする
・期末における処分見込み価額(ゼロ又は備忘価額を含む。)が取得原価を下回る場合には、処分見込価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価と当該処分見込価額との差額は当期の損失として処理する。
・前期以前において、前項に基づいて仮想通貨の取得原価と処分見込価額との差額を損失として処理した場合、当該損失処理額について、当期に戻入れを行わない。つまり、一度損失計上したら簿価を切り下げて考えるようです。
活発な市場とは?
「活発な市場」の有無によって仮想通貨の貸借対照表価額が変わってくるようですが、「活発な市場」かどうかはどのように判断するのでしょうか。
仮想通貨交換業者及び仮想通貨利用者の保有する仮想通貨について、継続的に価格情報が提供される程度に仮想通貨取引所又は仮想通貨販売所において十分な数量及び頻度で取引が行われている場合をいうものとする。
通常的に取引が行われているのであれば活発な市場として考えてよいのではないでしょうか。
損益計算書上の表示
仮想通貨の売却による収益は、損益計算書上純額で表示することとされています。
損益計算書には、仮想通貨売却損益等の項目で計上されると考えられます。
この辺りは有価証券に似ています。
売却損益の認識時点
仮想通貨の売却損益は、仮想通貨の売買の合意が成立した時点で認識します。
まとめ
仮想通貨は現時点で、私法上の位置づけが明確ではないため、法律上の財産権が認められるのか微妙なところなようです。これを会計基準で表現するのは非常に難しかったのではないかと考えられます。実際、当面の処理のみが公表されているだけであり、その他の気になる点は未公表のままです。
ビジネス上でも仮想通貨による支払いが海外では行われているようです。仮想通貨は個人に広く広まっていますが、法人にまで広がらなければ、投機色が抜けないのではないかと思います。
早く続きの会計処理案が公表されるといいのになと思います。
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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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