こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
最近、若手経営者さんとお話していて気になったことがあります。
それは資本政策の【政策】ばかり気にしている点です。
確かに、【政策】は本当に重要です。軽視していいとは全く思いませんし、公認会計士・税理士の立場からも、絶対に重視してほしい部分です。
昨今のベンチャーファイナンスブームの中でも「資本政策は重要だ!」、「投資家に騙されてはならない!」という空気感が醸成されてきています。そのとおりです、騙されるのは本当に良くない。当然、自分の身は自分で守る必要があります。
エクイティファイナンスの際に検討する事項について今一度確認してみます。
エクイティファイナンスの際に検討すべき事項
1.投資家
2.発行株式数
3.バリュエーション(Pre、Post)
4.投資契約書
この4点をクリアすれば、エクイティファイナンスが成立します。
投資家が投資をすると判断しなければ投資は実行されない
タイトルそのままですが、投資家が投資を決断しなければ投資は実行されません。
投資家へアプローチする前に、投資契約書の内容が気になる、増資後の株のシェアが気になるという類の相談をされることがあります。もちろん、投資家によって、ビジネスに対する感度、興味、見方というのは異なりますし、個人的に興味はあるが、ファンドのスタンスとしてシード投資は行っていない、IT関連銘柄にしか投資していない等、様々な事情があるため、投資先の内容が異なれば契約書の内容や引受株式数も変わってきます。ちなみにこれは投資家にアプローチして、投資に値すると判断された後の話です。つまり、投資家が事業内容に興味を持たなければ、当然投資契約書やシェアの話にはなりません。この点を失念してはいけません。非常に重要です。
第一に考えることは、多くの投資家にとって魅力的な事業を作り上げることです。
これがないと話は進みません。
計画は大事。手元のお金はもっと大事
資金調達を行う会社が資金調達を行う理由はなぜでしょうか?
お金を使って、投資(人材の採用、設備投資、広告等)を行うためです。
この状態は、お金があれば成長できる(だから私達の会社に出資してみませんか?)、というフェーズです。
お金がないのです。
お金がないから資金調達を検討しているのです。自分たちで売上を立てて、利益から投資するのも良いかもしれません。それでは時間がかかります。だからこそ資金調達を検討するのです。
最も重要なこと、最終的なゴールは【資金調達を成功させる】ことです。
なぜなら資金調達ができないと、会社経営ができないから。
手元にお金がない状態では不安が不安を呼びます。良いサイクルに戻るのには時間がかかる。その意味からも手元のお金は重要です。
ここで、資本政策との関係性がでてきます。
資金調達を成功させること=必要十分な資金を集めることができること、魅力的な投資家が投資をしてくれること、双方にとってフェアな投資契約書となっていることが最高のシナリオです。
反対に最低のシナリオはどのようなシチュエーションでしょうか。
資金調達額ゼロ円、これが最低のシナリオではないでしょうか。
私は資金調達額ゼロ円が最低のシナリオだと考えています(いや、もちろん自社にキャッシュが潤沢にあり、あえて出資を受けなかった等の例外はあると思いますが極稀でしょう)。
資金調達を行う、これが最低ラインです。
資本政策は最低ラインに立ってから
資本政策は重要ですが、投資家が事業に興味がある、投資したい、条件はどうしようかというフェーズになって初めて自社の資本政策の具体的な話になります。投資家が見つからなければ残念ながら資本政策の話にはなりません。
繰り返しますが、資本政策は重要です。それ以上に重要なのはビジネスモデル、メンバー、経営者のやる気ではないでしょうか。
まずは投資しようと思ってもらえる状態にする、そうしなければ、資本政策や投資契約書の条件を考えても意味がないです。
余計な心配していないで、数多くの投資家にプレゼンする、自社の魅力を知ってもらう、投資条件のフェーズになったら、各種専門家に相談する。これで十分です。
自分たちだけが有利な条件にしたい等のやましい考えをせず、各種専門家に相談し、フェアな投資条件で必要十分な資金調達を実行する、これが一番でしょう。
知識不足により結果として不利な条件で契約をしてしまった等のケースもでてくるでしょう。これは勉強するのみです。勉強は自分自身を守る数少ない方法の一つです。適切な場面で適切な専門家に随時相談することで回避できるのではないかと私は考えています。
適切なタイミングで適切な専門家に相談する、これがポイントです。
事後ではだめですし、早すぎても良くない(遅いよりはいいですが)。
経営はバランス感覚が重要です。
最終判断は経営者ご自身で下すことですが、それまでにできることを実行してみるのも良いのではないでしょうか。
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