こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
今日は消費税のお話です。といっても、最近非常に問合せの多い、8%の税率?10%?なのという10月1日からの消費税増税に関するお話ではありません。とはいえ、本当に消費税のお問い合わせが多いです。経過措置も軽減税率もなくして、10月1日以降に支払うものは全て10%ですよ、という簡易な方法にすべきだと思うのですが。
さて、今日の本題は、本来は消費税の納税義務のない免税事業者にも関わらず、税務署から消費税の中間納付の納付書が来て、納付してしまった場合はどうしたらいいの?
という、非常に困った状況のお話です。
消費税の免税義務者とは??
消費税の免税事業者の確認をします。
消費税を納税する義務のある会社を課税事業者、納税する義務のない会社を免税事業者と呼んでいます(法人のお話です)。
課税事業者と免税事業者の判定は、原則として、前々事業年度の課税売上高で判定します(特定期間については考慮外です、また、新設法人等の前々事業年度のない会社等は別途検討なケースがあるのでご注意ください)。
前々事業年度の課税売上高が、1000万円以下か1000万円超かによって、その事業年度の消費税の納税義務が判定されることになります。
つまり、売上が凸凹しているような会社では、課税事業者になったり、免税事業者になったりを繰り返すことがあるということです。
例:消費税の納税義務と課税売上高
2016年7月期:課税売上高/2500万円
2017年7月期:課税売上高/500万円
2018年7月期:課税売上高/4500万円
2019年7月期:課税売上高/800万円
このような売上の会社の場合の2018年7月期と2019年7月期の消費税の納税義務は以下の通りです。
2018年7月期:基準期間の課税売上高(2016年7月期の課税売上高)/2500万円>1000万円→課税事業者
2019年7月期:基準期間課税売上高(2017年7月期の課税売上高)/500万円→免税事業者
原則的にはこのようにして、消費税の課税事業者か免税事業者かを判定することになります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
課税事業者になったとき、免税事業者になった際の届出書
消費税の納税義務は前々事業年度の課税売上高によって判定するため、課税事業者になったときと免税事業者になったときには届出書の提出が求められています。
課税事業者になったとき:消費税課税事業者届出書/提出期限は事由が生じた場合速やかに。
免税事業者になったとき:消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書/提出期限は事由が生じた場合速やかに。
この届出書を提出することで、税務署はこの会社は○年×月期は消費税の課税事業者だなとか、免税事業者になったんだなという判断をすることができます。
届出を忘れていた時は?
今回問題になったケースです。届け出を失念していたため、今期は消費税の免税事業者であるにも関わらず税務署がその事実を把握していなかったケースです。
当然、税務署は消費税の中間納付義務があると思い、中間納付の納付書を送ってきます。
納付書が送られてきた社長は、律義に納税をしてしまった。
いざ、申告の時期になったら、基準期間(前々事業年度)の課税売上高、その他の要件も満たしているため消費税の免税事業者だった…という事態が発覚。
免税事業者になることが分かっていたのであれば、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書を提出しておくことで中間納付の納付書が届くのを防げたのですが、提出していないとこのような事態は生じます。
免税事業者にも関わらず、中間納付をしてしまった場合はどうする?
さて、この場合はどうしたらよいのでしょうか。
消費税の免税事業者なので、消費税の確定申告書を提出する必要はありません。
中間納付の金額だけ記載して還付請求する?いや、そんなのおかしいです。
結論としては、税務署に間違えましたと、連絡することになります。
税務署に、免税事業者にもかかわらず、消費税の中間納付をしてしまいましたと、連絡してみてください。前述の届出書が提出されていないのであれば、おそらく届出書を提出してくださいと言われるはずです。これは手続き的な話なので、これしか方法はないと思います…
まとめ
税理士変更の案件では、気がついたら納付する必要のない消費税の中間納付を行っていたり本来納付すべき税金(源泉税等)を支払っていなかったり事件が発生することがあります。
無駄な税金を支払う必要はありませんので、しっかりとチェックするようにしたいものです。
*消費税、10%に増税されて、軽減税率が導入されたら飲食店の顧問税理さんはどうするのでしょう。飲食店専門のクラウド会計とか、大丈夫なのかな。経過措置だけでも大変なのに。
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