【スタートアップ】ストックオプション税制の改正はいまいち改正

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

平成31年度の税制改正では、ストックオプション税制が大幅に改正されるのではないか?!という噂がありました。

しかし、ふたを開けてみると、税制適格ストックオプションの要件が大幅に改善されたとは言えない改正になりそうです(TAmaster769)。

社外協力者に付与しても税制適格に!

今回のストックオプション税制の目玉は、社外協力者に付与したストックオプションも一定の要件を満たすことで、税制適格として認めてもらえるものです。

次のことを期待して、適用対象者が拡大されるようです。

■ベンチャー企業が、兼業・副業等の多様な働き方で活躍する国内外の高度・専門人材を円滑に獲得できるよう、本制度の付与対象者を現行の取締役・従業員から、社外からでも企業に貢献する高度人材(外部協力者)にまで拡大し、ストックオプションを利用した柔軟なインセンティブ付与を実現する。

■事業者は、外部協力者を活用して行う事業計画を作成し、主務大臣が認定。認定計画に従って事業に従事する外部協力者へのストックオプションの付与に関して、税制優遇措置を適用する。

プログラマー、エンジニアだけではなく、医師や弁護士もストックオプションの付与対象者として例示されています。公認会計士や税理士が載っていないのが残念ですが…

一定の要件とは?事業計画の認定を受ければOK

エンジニアやプログラマーを活用して行う事業計画を作成し、その事業計画を認定してもらう必要があります(中小企業等経営強化法に基づく事業計画認定制度)。

計画の内容としては、以下の要件を満たす必要があるようです。

  1. 設立10年未満等の要件を満たし、ファンドからの出資を受ける企業が、
  2. 高度な知識及び技能を有する社外の人材を活用し、
  3. 新事業活動を行い、新たな事業分野の開拓を行うこと

ということです。

1の要件は、非常にわかりやすいです。

2と3の要件は、、、、見解の相違が出てきそうな気がします。

自分たちとしては、新事業活動をして、新たな事業分野に進出するのだ!と思っているが、外部の人たちからしたら理解ができない。本当に新事業の必要性があるのか?と思われてしまう、なんてこともあるのではないでしょうか。

その外部の人を納得すらさせられないようであれば、そもそも事業計画としては不十分なのでしょうけどね。つまりは、社外協力者に税制適格ストックオプションを付与する納得感がわかるようにしておいてくださいということなのでしょうか。

エンジェル税制も似たようなところがあるので、この点が気になります。

まとめ

社外協力者にも税制適格ストックオプションが付与できるなんて、素晴らしい改正になるんだな、太っ腹!と思っていたのも束の間。

飴と鞭ではないですが、しっかりと鞭(中小企業等経営強化法に基づく事業計画認定制度)がついていました。無条件に税制適格とするわけにもいかないので、一定の制約が付されるのは仕方ないところではありますが、もう少し優しい条件でもよかったのではないか、と思うのは私だけでしょうか…

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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