こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
2018年11月となり、2018年もあと少しです。
12月が終わると、確定申告の時期!!
というわけで、個人事業主の方が最低限検討しておくべき節税についてご紹介します。
今回ご紹介する節税方法は5つ!
今回の記事でご紹介する節税方法は以下の6つです。
・青色申告
・青色事業専従者給与の見直し
・小規模企業共済
・倒産防止共済
・30万円未満の固定資産の即時償却
一つずつ確認していきましょう。
1.青色申告:青色申告特別控除
青色申告の届出書を提出していると、様々な特典を受けることができます。
その中でも一番影響が大きいのが、青色申告特別控除です。
所得金額(ざっくり言えば、売上と経費の差額です)から、最大65万円または10万円を控除してもらえる制度です。
青色申告を選択するだけで、65万円か10万円を「もうけ」からマイナスしてもらえるだなんて素晴らしい制度だと思いませんか?
65万円の特別控除を受けるための要件
青色申告特別控除には65万円の控除と10万円控除の2つの種類があります。
65万円の控除のほうがメリットが大きいです。
65万円の特別控除を適用するためには、一定要件を満たす必要があります。
要件としては次のものです。
1.不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
2.これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
3. 2.の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。
不動産所得か事業所得の事業をしている人で、ちゃんと帳簿を付けて、確定申告書を提出していればOKです。
2018年に白色申告の方は、2019年からは青色申告が適用できるように、青色申告の届出を提出するようにしましょう。
2.青色事業専従者給与の見直し
青色申告の届出を出している場合、青色事業専従者(親族)に対して支払った給与が経費として認めてもらうことができます。
そのためには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。
届出書の記載内容についてはこちらをご覧ください。
【節税】青色事業専従者給与:期の途中で配偶者を雇って節税したい。
【税金/節税】フリーランスの奥さんを青色事業専従者とすると税金が節約できる
で、実はこの青色事業専従者給与の金額、期中であっても変えることができます。
届出内容に以下のような変更があった場合、変更届出書を提出する必要があります。
- 専従者が増える
- 給与の支給時期を変更する
- 支給金額を増額させる
この変更届け出は、いつでも提出することができ、変更した場合は、変更後遅滞なく届出書を税務署へ提出することが求められています。
遅滞なく、、というのは、変更後の給与を最初に支給する日までには提出しておくことが望ましいです。後出しじゃんけんは印象が良くないですしね。
当然、増額するためには、合理的な理由が必要です。
ご主人の仕事量が急増…その結果、奥様の手伝う分量が増えた等であっても問題ないのではないでしょう。
従前から何も変化がないのに、気分で報酬アップさせるというのはちょっと違う気がします。
3.小規模企業共済
小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主の方向けの退職金制度です。
個人が毎月掛け金をかけることで、将来の退職金を積み立てるのです。
毎月の掛け金
掛金は「月1000円~70,000円」の範囲内で自由に選択可能です。
支払方法
支払方法は、月払い、半年払い、年払いが可能です。
掛金の取扱い
掛金は全額、課税対象所得から控除することが可能です。
1年以内の前納掛け金も同様に控除することが可能です。
法人成りした場合、掛金通算が可能
個人事業を法人化した場合であっても、掛け金納付月数の通算をすることができます。
その際に必要な資料は、以下のものになります。
- 個人事業主の廃業届出
- 新たに設立した履歴事項全部証明書
- 納付月数通算申出書兼契約申込書
4.倒産防止共済
自社の経営には何の問題もない場合であっても、取引先はそれとは関係なく倒産します。
倒産防止共済は取引先の倒産で債権回収ができなくなる、いわゆる連鎖倒産を避けるための制度です。
倒産防止共済に加入しておけば、取引先が倒産したことで売掛金の回収が困難になった場合に共済金の貸付を受けることができます。
貸付条件
共済金の貸付金額は、掛金総額の10倍までです。貸付金額は50万円~最大8000万円までで、5万円単位での貸し付けになるようです。
返済期間は5年~7年間で返済です。この返済期間は貸付金額によって変わってきます。貸付金額が大きくなるほど返済期間は長くなります。
毎月の掛金が損金計上できる
倒産防止共済は、取引先が倒産した際の自社の売掛金回収不能による連鎖倒産を防ぐことが趣旨で運営されていますが、中小企業では節税対策のツールとしても利用されています。
掛金月額は最大20万円までで、掛金総額は800万円まで掛金をかけることが可能です。
倒産防止共済も、小規模企業共済と同様に、掛金前納も可能です。
ただし、損金計上できる金額は当該事業年度に対応する月数分のみです。1年間に掛けることができる最大金額は240万円(20万円×12か月)ということになります。
損金計上が可能なうえ、掛け金を40か月以上納付していれば任意解約をした場合であっても100%の解約手当金を受取ることが可能なので、節税(課税の繰延べ)として利用されるのです。
加入資格
事業を1年以上行いっていれば個人事業主であっても加入することができます。
5.30万円未満の固定資産の即時償却
最後は年間300万円までという、上限はありますが、300万円までであれば30万円(税込)の固定資産であれば即時償却(全額損金計上)することが可能です。
ただし、30万円未満と言えども、モノを購入する際にはお金がでていってしまいます。
300万円までであれば経費にできるからと言って、何でもかんでも買うのはやめたほうが良いです。買いたくなる気持ちも非常によくわかりますが…
ご自身の手元にお金を残すためには、無駄遣いをしない、税金を支払うということを徹底的に順守する必要があります。
まとめ
基本的には今からでもできる、節税方法をご紹介させていただきました。
青色申告特別控除の65万円と専従者給与は、現金の流出がない節税方法です。
その他の節税方法は一時的に現金の流出を伴います…近い将来に、オフィスを借りる、人を雇う、設備投資をする予定がある等のお金が必要になるということが分かっているのであれば、節税に走り手元資金が少なくなる…というよりは、手元資金を厚くすることを優先することをお勧めします。
【少しだけ相談したい方向けに、スポット相談も実施中です】
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【プロフィール】
・プロフィール
【主な業務内容】
・スタートアップ支援
・事業承継対策
・M&Aサービス
・税務顧問業務
・個別コンサルティング業務
公認会計士・税理士澤田憲幸に問い合わせしてみる
起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。