こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
仮想通貨にFXと様々なご相談をいただいております。
今回はFXについてまとめてみました。誤解している方がチラホラいらっしゃるようなので。
FXの「もうけ」は確定申告が必要?
FXで利益が出た場合は、絶対に確定申告をする必要があるのでしょうか?
という質問をいただくことがあります。
仮想通貨と同じで、雑所得の額が20万円を超えるのであれば申告が必要です。
厳密には、サラリーマンであっても確定申告が必要な方は次のいずれかに該当する方です。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
- 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
(注) 給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。 - などなど
こちらに副業をしている人で確定申告が必要な場合を解説しています。
FXによる「もうけ」が20万円超であれば、基本的には確定申告が必要ということになります。
FXの税率は??その計算方法は?
FXの税金計算や計算方法を確認してみたいと思います。
FXの税率は20.315%で一定
FXの利益に課される税金は、いくら「もうけ」たとしても20.315%です。
FXで1億円もうけたのであれば約2000万円の税金です。
給与が1億円であれば55%は税金で持っていかれるので、もうけが大きい場合は税金面では優遇されていることになります。
反対に、もうけが小さくても20%は税金を支払う必要があるので…お得度はありません。
計算方法
FXの口座を持っていると、利益についてはFX会社が収支計算をしてくれます。
FX会社からダウンロードできる、「年間損益報告書」や「年間収支報告書」等の1年間のFXによる損益情報から利益の金額を把握します。
*仮想通貨は自分で損益を計算しなければならないので、大きな違いです。
複数のFX口座を保有している場合には、全ての口座の損益を合算して「年間利益」を算出します。
なお、FXの税金計算は、給与等とは「分離」して計算します。
損失は確定申告をすると3年間繰り越せる!
利益が出た場合は、サラリーマンの方であれば「年間利益(もうけ)」が20万円超であれば確定申告が必要でした。
反対に、FXで損失を計上している場合や「もうけ」が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません(他の事由で確定申告する必要がある場合は、20万円以下の儲けであっても確定申告が必要です)。
実はFX取引には特例があり、確定申告をすることで3年間損失の繰越をすることができます。
損失の繰り越しとは?
例えば2018年にFXで損失が発生した場合を考えてみます。
この2018年の損失は、2019年、2020年、2021年にFX等で「もうけ」が出た場合には、当該「もうけ」に損失をぶつけることが可能です。
具体的な数字で解説
具体的な数字でみてみます。
【例】
2018年:△90万円の赤字
2019年:30万円の黒字
2020年:30万円の黒字
2021年:50万円の黒字
この場合、2019年から2021年に20万円超の黒字が発生していますが、2018年の赤字を黒字に対してぶつけることができます。
その結果、税金が課せられる金額(所得)は以下のようになります。
2019年:ゼロ円
2020年:ゼロ円
2021年:20万円(50万円-30万円)
2018年の損失を繰越しますよ、という確定申告を行うことで、向こう三年間の納税額を抑えることが可能になるのです。
と考えると、損失が出たとしても翌年以降にもFX取引を継続するのであれば確定申告をしなければ損ですよね!
もうけに対して20%も税金が課されるものが、確定申告をすることでゼロになるかもしれないので。
まとめ
FX取引でもうけた場合は確定申告が必要ですが、損失が出てしまった場合も確定申告をすることで翌年以降に損失を繰り越すことが可能です。
今年は損だったから、確定申告なんて面倒だと思わず損失を繰り越すために確定申告をしてみてはいかがでしょうか。
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