こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
プロ野球選手の方やフリーランスの方の税金、いつ支払う必要があるのかご存知ですか?
前払い?後払い?
税金の知識が全くないと、後から驚くことになります!
そんなことを面白おかしく、デイリースポーツが教えてくれています。
以下抜粋。
阪神や米大リーグ・メッツなどで活躍した元プロ野球選手の新庄剛志氏(46)が23日、フジテレビ系で放送された「ジャンクSPORTS 秋の3時間SP」に出演。プロ2年目に活躍し、大幅に年俸もアップしたが、「税金を知らなかった」と仰天エピソードを披露した。
1991年に阪神に入団した新庄氏は92年に11本塁打を放ち、華のあるプレーで右中間コンビを組む亀山努とともに「亀新フィーバー」を巻き起こした。オフには年俸も2200万円まで大幅アップした。そこで新庄氏は2000万円のベンツを購入。「(残りの)200万円で過ごせばいいと思った」と当時を振り返り、「税金を知らなかった」と大笑いした。
これに対してタレントの土田晃之は「急にブレークした芸人によくある」と指摘。新庄氏もうなずいていた。
https://t.co/TgGtnhWKqe
個人事業主(プロ野球選手も)の税金は後からやってくる
個人事業主の方のX年1月1日~12月31日までの税金は、X+1年の3月15日までに計算して納付する必要があります。
わかりやすくするために、今年に置き換えて検討してみます。
2018年1月1日から2018年12月31日までの税金の支払いは、
2019年3月15日
までに
計算して納税です。
税金に馴染みがない方にとっては、まさか!後から税金支払う必要があるの?!という虚を突かれるかもしれません。
新庄選手や土田さんがいっている通り、「税金を知らなかった」、「急にブレークした芸人によくある」というように、税金のことが頭からすっぽり抜けて、全部使ってしまったというのはよくあるお話だったりします。
プロ野球選手やお笑い芸人の方は個人事業主として活動しているため、1年間の売上や経費が確定してから納税をするという形になっているのです。
納税が遅れると、罰金
新庄選手のように、税金のことを知らなかった!!ということで、納税を遅らせることはできるのでしょうか?
答えは、「できません」です。
当然ですよね。私は税金の仕組みを知らなかったから納税する必要はない!等と言い始めたら言ったもの勝ちの世の中になってしまいます。
法律で決められているルールですので、守る必要があるのです。
そして、そのルールを守れなかった場合は、罰金を納める必要があります。
この罰金にはいくつかの種類があり、結構な金額になってしまうので、要注意です。
確定申告書を税務署へ提出していない&納税もしていない場合の罰金は以下のものが課されることになります。
無申告であることに対するペナルティ(無申告加算税)
無申告加算税は納付すべき税額に対して15%(納付すべき税額が50万円を超える場合は20%)です。
本来納付すべき税金+ペナルティです。20%がペナルティとなるので、、、結構な負担です。
無申告の納税遅延に対するペナルティ(延滞税)
確定申告書を提出していないのであれば、納税義務も果たしていないはずです。納税していない場合は、延滞税がかかります(遅延金みたいなものです)。
延滞税は、納期限から延長すればするほどペナルティの金額が増えていきます。さらに料率も年間9%であるため超高額の罰金になります。
納期限の翌日から2月を経過した日以後
「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合です。
平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、8.9%でした。
一年間、無申告で無納付であると、年間8.9パーセントも延滞税がとられてしまいます…
単純計算で、無申告加算税と延滞税合わせて、20%+8.9%の28.9%も税金が増えることになります。これは辛い。
知らないだけで、これだけ税金を追加で支払う必要がでてくるなんて、恐ろしいですね。
税金の計算方法は?
ちなみに、ペナルティや罰金を計算するには、税金の計算方法を知っておく必要があります。
新庄氏のエピソードの通り、2018年の年棒が2200万円のケースで試算してみます。
税額=「年棒2200万円-経費」×税率
(これは本当にざっくり計算です、正確に計算するともっと複雑ですが、ここでは割愛します。)
ざっくりとした税額試算
仮に経費がゼロだとすると、2200万円に税率をかけて計算します。
2200万円の所得税率は40%、住民税が10%です。
+
住民税:2200万円×10%
=820万円
経費がゼロだと、820万円を納税する必要が出てきてしまうのです。
プロ野球選手の報酬や税理士報酬は源泉徴収されている
なお、プロ野球選手の場合、球団から振り込まれる報酬が源泉徴収されています。
源泉徴収と言われても、聞きなれない方もいらっしゃると思いますので簡単に解説です。
源泉徴収の例
毎月の報酬が200万円と球団と契約している場合であっても、実際に振り込まれる金額は170万円です。
200万円振込されると思っていたのに、170万円しか振込されない!と怒らないでください。この30万円は球団がインマイポケットしたのではありません。
この天引きされている30万円相当額のことを源泉徴収税額と呼びます。
報酬の支払い者(プロ野球の場合は球団)が、受取る方(選手)に約束した報酬を全額支払うのではなく、選手に支払うべき報酬の一部を球団が税務署へ支払う仕組みを言います。
源泉徴収された金額は、確定申告時に既に納付済みの税金として差し引くことが可能です。
具体例を見てみます。
年棒2200万円で、仮に毎月30万円が源泉徴収されていたとすると、所得税の年間税額:600万円
源泉徴収税額:360万円
3月15日までに納付する所得税額:240万円(600万円ー360万円)
として計算します。
球団が、選手に変わって年間で支払うべき税金の一部を納めてくれているため、納税額600万円まるまるを支払う必要はなく、源泉徴収されている金額を除いた240万円を納付すればよいのです。
年棒が高額になればなるほど、源泉徴収だけでは納税額が不足するため翌年の3月15日までに支払いを行う必要があるので、新庄選手のように納税を失念しないように注意が必要です。
*予定納税や消費税については省略しています。
節税ポイント
税金計算の方法を見ていただき、すでにお気づきになられた方も多いと思いますが、税額に影響を与えるのは「経費」です。
最大の節税方法としては、「経費」を漏れなくすべて計上することです。
同じ年棒の選手であれば、「経費」が多いほうが税額が少なくなります。
そのため、少なくとも領収書やレシートを保管しておくようにしてください。経費として計上するには、最低限、使った金額と日付と用途がわかるようなメモが必要です。
事業に関係するものを購入した場合にはレシートをしっかりともらう、レシートがない場合はカレンダーにメモするといったことを忘れないように実施してください。
毎日少しずつやることで習慣化されます(筋トレをはじめとするトレーニングと同じかと)。
まとめ
税金は普段はあまり接することがないので、馴染みがないと思います。
ただ、知らなかったで許されるほど甘い世界でもありません。事前に十分な対策を講じることで、無駄な罰金・ペナルティを支払うことや、無駄な税金(合法的に節税)を行うことが可能です。
税金について漠然として不安を抱えているのであれば一度、澤田公認会計士・税理士事務所までご相談ください。30代前半の代表が直接担当いたします。
プロ野球選手の税金については以下の記事で詳細に記載しています。
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