こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
宗教法人へ寄附した場合の課税関係は?といった質問を仮想通貨の「億り人」からされることがあります。
宗教法人への寄附が無条件に非課税になるわけではありませんので注意が必要です。
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原則は所得税(譲渡所得等)が課される
個人が法人に対して、土地、建物などの財産を法人に寄附した場合は、寄附した時の時価によって譲渡があったものとみなされます。(所得税法59条第1項1号)
その時の時価で譲渡があったものとみなされるため、所得税の課税対象です。
*寄附とは、既設の公益法人等に対する財産の贈与や遺贈等のことです。
仮想通貨を法人に対して寄附した場合もこの所得税法59条が適用されると考えられます。
一定の要件を満たせば、所得税は非課税
土地、建物などの財産を公益法人等(宗教法人はここに含まれます)に寄附した場合で次の要件を満たすものとして、国税庁長官の承認を受けたときは、この所得税は非課税とされています。
要件1:寄附が教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。
仮想通貨を寄附すれば、課税されないのではないか?といった質問には、この要件1を満たしていないため無理ですね…残念ながら。
要件2:寄附財産が、その寄附日から2年以内に寄附を受けた法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること。
寄附財産が、事業のように直接供されることが要件2では必要な要件とされています。これも仮想通貨では満たすのが難しいような。
要件3:寄附により寄附した人の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附した人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税や贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないこと。
所得税の負担を不当に減少させる目的で寄附をするのでなければこの要件は満たすことができるかもしれません。要件1、要件2と異なり、寄附財産自体の要件ではないですからね。
承認を受けるための方法
承認を受けられるかどうかは、承認を受けてみないとわからないではないか、とお考えの方向けに国税庁長官の承認を受ける手続きをご紹介します。
提出すべきもの
国税庁長官の承認を受けようとする人は、「租税特別措置法第40条の規定による承認申請書」を提出しなければなりません。
申請書を提出する人
申請書を提出する人は、寄附した人です。遺贈の場合や申請書を提出する前に寄附した人が死亡している場合は、寄附した人の相続人及び包括受遺者が申請書を提出します。
申請書の提出先
寄附した人の所得税の納税地の所轄税務署長に提出します。
申請書の提出期限
寄附日から4月以内です(ただし寄附が11月16日から12月31日までの間に行われた場合は、寄附した年分の所得税の確定申告書の提出期限まで)。
まとめ
仮想通貨に対する課税を何とかしたい気持ちは非常によくわかりますが、万人に共通して適用できる素晴らしい節税方法はなかなかありません。
宗教法人に対する寄附であっても、国税庁長官の承認が必要です…
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