こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
帝国データバンクの「事業承継に関する企業の意識調査(2017年)」についての第3回目です。
第3回目は、事業承継計画が進まない理由についてです。
第1回目と2回目はこちらをご覧ください。
【第1回目】
【第2回目】
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事業承継計画が進まない理由TOP3
事業承継に関する「計画はあるが、まだ進めていない」企業と「計画はない」と回答した企業の回答理由の上位3つは次の通りでした。
第1位には、そもそも経営者が事業を譲る予定がないがランクインしています。
(出典:帝国データバンク/事業承継に関する企業の意識調査(2017年))
第1位:まだ事業を譲る予定がない
中小企業の経営者も、日本の高齢化社会の進展と同様に高齢化の一途を辿っています。
高齢化社会になるということは、経営者の方も含め高齢者の方が元気だという事です。
中小企業の経営者のピークは66歳になっています。20年前はそのピークは40代だったにも関わらずです。
(出典:平成28年11月28日/中小企業庁/事業承継に関する現状と課題について)
まだまだ、心も身体も元気であるため、事業承継する気持ちにならないというのが現役経営者の方々のお気持ちでしょう。
経営者の方がいつまでも経営に携わっている状況が続くと、事業承継をしようと思ったときには、時間に猶予がない、余裕がなくなってしまいます。
心の底では、事業承継をするつもりがなくても、事業承継計画を策定するなり、計画がすでにあるのであれば一部だけでも実行に移すことが大切です。
第2位:後継者が決まっていない
「計画はあるが、まだ進めていない」企業と「計画はない」企業のうち、後継者が決まっていないため、計画を立てられない、計画を立てようがないため計画がないと答えた企業が第2位にランクインしています。
確かに、後継者が決まっていないと事業承継計画の作成は難しいです。
しかし、事業承継計画は誰を後継者にするのか?が事業承継のスタート地点です。
親族承継、従業員承継、第三者承継(M&A)と事業承継手法はいくつかあります。
詳細は以下をご覧いただければと思いますが、澤田公認会計士・税理士事務所は後継者候補を選定するところからお手伝いさせていただいています。
【事業承継全般】
【事業承継型M&Aサービス】
第3位:自社には不要(必要性を感じない)
廃業、事業の売却をする予定等の理由で、事業承継計画は自社には必要性を感じないと回答している企業が一定数あることにも驚きました。当然中には、事業承継が完了したばかりであり、まだ次の世代のことを考えるタイミングでもないという企業もあると思います。
親会社から後継者が派遣されてくるため事業承継について考える必要がないため、事業承継計画は不要と回答している企業もあるようです。事業承継型M&Aによって事業承継を完了していると推測されます。
「計画があるが、まだすすめていない」と「計画はない」の間には大きな差があるケースがある
「計画はない」と回答している企業の回答は、先ほどのランキングの通りですが、「計画はあるが、まだ進めていない」と回答した企業の第3位には、「自社株など個人資産の取扱い」がランクインしています。
4位以下は次のとおりであり、「計画はない」企業とは理由が大きく異なっています。
「計画はあるが、まだ進めていない」企業は、事業の将来性、個人保証、税金に悩みを抱えていることがわかります。
4位:「事業の将来性に不安がある」
5位:「借入に際しての個人保証がある」
6位:「相続税・贈与税などの税金対策」
私は、4位から6位にランクインしている、事業の将来性・個人保証・税金が事業承継の妨げになっているのと同時に、事業承継で重要なポイントをしめると考えています。
「相続税・贈与税などの税金対策」をケアできるのは税理士事務所だけです。税理士に早めに相談し、税金対策を含めたトータルの事業承継を少しずつでも良いので進めていくことをお勧めいたします。
事業を譲る売却する予定は多くない(が、メリットは多い)
将来、事業を売却する予定であると答えた会社は、全体のわずか3.8%にすぎません。
中小企業M&Aが一般的になってきたといわれてはいますが、実際にM&Aを事業承継の手法の一つとして検討している企業は多くないのでしょう。
M&Aで理想の後継者に出会える可能性も。
「計画はあるが、まだ進めていない」企業と「計画はない」企業のうち、「後継者が決まっていない」と回答した企業が第2位でした。
「後継者が決まっていない」企業こそ、事業承継型M&Aにより後継者を外部に募ることで、経営者自身の考えている理想の後継者に出会うことが可能になるかもしれません。
親族や社内に後継者候補がいないため、悩んでいる経営者はたくさんいます。国内企業の3分の2が後継者不在企業と言われています。
自分だけが会社を売って…という後ろめたい気持ちになる必要はありません。自社を後世に残すために必要なことであり、地域経済全体の課題として考えるべき程、日本の中小企業の存続の問題は重要な時代なのです。
個人保証も外すことができる
事業承継に関して、「計画はあるが、まだ進めていない」企業のランキング第5位:「借入に際しての個人保証がある」ため事業承継計画が進まない問題は、親族内承継・従業員承継では解消できません。
金融機関等に提供している個人保証は、こちらから解除または変更を申し出ない限り外してもらえないことが一般的です。
事業承継型M&Aであれば、買い手企業の方が売り手企業よりも規模も財務内容も良好なケースが多いため、売り手経営者が金融機関に提供している個人保証を外すことが可能になります。
M&Aは会社の売却だと考えている方が多くいらっしゃいますが、実は、個人保証も外すことができるのです。
事業承継型M&Aを検討している方は、多くないというアンケート調査結果が出ていましたが、親族内に株式を承継するケースに比べて、メリットも当然あります。
澤田公認会計士・税理士事務所では中小企業M&Aに精通していますので、お気軽にお問い合わせください。
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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
中小企業のM&A、事業承継、スタートアップ支援を得意としています。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【主な業務内容】
・スタートアップ支援
・事業承継対策
・M&Aサービス
・税務顧問業務
・スポット対応
・個別コンサルティング業務
◇メール、チャットワーク対応がメインの顧問契約「コスト重視プラン」始めました。
このような方がコスト重視プランの対象です
・毎日忙しく、税理士と面談する時間がない
・直接会って面談するよりも、メールやチャットで気軽に質問できるほうが望ましい
・別に税理士には会わなくていいので安くしてほしい
といった要望にお応えし、コスト重視プランを始めました。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。