こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
事業承継では株主問題がよく問題になります。
これは親族内承継を検討している場合であっても、従業員承継を検討している場合であっても、第三者承継いわゆるM&Aを検討している場合であっても共通です。
事業承継で問題となるのが、少数株主の存在です。
これが親族内承継、従業員承継、第三者承継共通の問題なのです。
少数株主の何が問題??
少数株主の何が問題なの?と思われる方もいらっしゃると思います。
少数株主が現経営者と後継者の組もうとしているスキームに対して、文句を言わないのであれば少数株主が存在したとしても全く問題ありません。
問題となるのは、少数株主が事業承継のスキームに対して反対するケースなのです。
例えば、現経営者は後継者に会社の株式を全て持たせたいと考えていたとします。
昔流行った相続対策で株式を分散させるものがありました。その名残で近所のおじさんが株を少しだけ保有していました。このおじさんが後継者候補へ株式を譲渡することに反対しているのです。
反対理由としては、株価が折り合わない…というもの。お金で解決できるといえば、その通りですが、不当に高い価額で株式を買い取るのも釈然としません。
事業承継に反対する少数株主が存在すると、このように株式を高額で買い取れ!と言われたりしてしまうのです。これが少数株主が存在する問題の1つです。
少数株主の権利は??
他にも少数株主には会社法上、様々な権利が与えられています。
1株でも会社対して行使できる権利があるのです。少数株主が当該権利を持つことに知っているかは別ですが…
・株主総会招集請求権 | 議決権の3/100 |
・株主提案権 | 議決権の1/100または300個以上の議決権 |
・役員の解任の訴え | 議決権の3/100または発行済株式数の3/100 |
・会計帳簿閲覧請求権 | 議決権の3/100または発行済株式数の3/100 |
・解散を請求することができる権利 | 議決権の1/10または発行済株式数の1/10 |
・取締役会の招集請求権 | 単独株主権(1株以上) |
・募集株式発行差止請求権 | 単独株主権(1株以上) |
・略式組織再編差止請求権 | 単独株主権(1株以上) |
・株主名簿閲覧請求権 | 単独株主権(1株以上) |
・取締役会議事録閲覧請求権 | 単独株主権(1株以上) |
・計算書類閲覧請求権 | 単独株主権(1株以上) |
少数株主が取締役会議事録と計算書類を見せてください。株主の権利ですから。と言ってきたら後継者にとってはどうでしょう?気持ちがいいものではありませんよね。
少数株主の問題はこのような点にも有るのです。
株主対応をしなくてはいけないため、経営に集中できなくなるのです。
少数株主の追い出し方法
後継者にとって不都合な少数株主がいることのデメリットはご理解いただけたでしょうか。
何かと面倒なことが起こりうるというのが最大のデメリットでございます。
いつ爆発するかわからない少数株主問題は早期に解決することが可能です。少数株主は合法的に会社から追い出すことが可能なのです。
具体的には次の方法で少数株主の追い出しが可能です。
・株式併合スキーム
・全部取得条項付株式スキーム
・現金対価の株式交換
・特別支配株主の株式等売渡請求
どのスキームを採用をしても、少数株主を追い出すことが可能です。
詳細な方法については今回は省略しますが、絶対に少数株主から逃れることはできないというわけではないことをご理解いただけましたでしょうか。
まとめ
昔の相続対策は、株主を分散させて相続人の持ち株数を減らしましょうというものでした。その名残から会社に少数株主が存在するケースが少なくありません。
事業承継の場面では少数株主の存在がどうしてもネックになることがあります。事業承継を円滑に進めるためにも少数株主は早めに排除することをオススメいたします!
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