こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
起業を検討中の方々から、起業したばかりの方や事業承継を検討中の方まで幅広い方々に読んでいただいている本記事ですが、今回は会社を設立したばかりの方向けの記事です。
というお話です(とはいえ、私は金融機関の人と裏でつながっているわけではありませんのでご安心ください)。
起業(会社設立)直後に借入を検討している人は多くない
会社設立直後の私のクライアントさんには、金融機関からの借入は検討していますか?と必ず質問しています。
多くの経営者の方は、(バリバリ)儲けるために会社を設立したんだから、借入なんて全く考えていません!(どうだ!かっこいいだろ。)と回答します。
会社設立当初から売上を確実に計上できる見込みがあるのであれば、それでもいいかもしれません。
一方で、まだ売上の見込みがない方、今日から営業を頑張るんだ!頑張れば売上もついてくる!という根性論で考えてしまっている方がいらっしゃるのであれば、借入を行うことをおすすめします。
どのようなタイプの方であれ、多くの経営者は、会社設立してすぐに借金なんて考えられない!!というような反応をしてきます。
そう、起業直後に借入を検討している人は多くないのです。
ベンチャーキャピタルから出資を受ける予定だ、とか、夢があるのは素晴らしいですが、出資OKから実際の着金までは落ち着きませんよ!
会社設立時は融資が受けやすい状況!
実は、会社設立時は、融資が受けやすいんです。
会社設立時の借入の申込理由は、「設備投資にお金が必要だ、運転資金が必要だ」ということで単純明快です。
さらに会社設立の直後なので、月次試算表の提出も求められません。過去の会社の成績を見ようにも見れないのです。
そう、会社設立したての場合の特典として事業の成績を実質的に検討されることがないのです。
という意味で、会社設立時は融資が受けやすい状況であると言えるのです。
これが会社設立後1年経ちました。思うほど業績がよくなくて、手元資金が底をつきそうだ…という状態の会社があったとします。
このような会社に、自分だったらお金を貸そうと思いますか?金融機関もお金を貸すのであれば、絶対に返してもらおう!と思っています。当然ですよね、融資や貸付であって、寄附ではありませんから。
ちょっと調子が悪くなったからお金を貸してくださいという状況は、実は借りづらい状況なのです。
多くの若手経営者さんが勘違いしている点なので、よくよくご理解いただければと思います。自分がお金を貸す側になって考えれば当然のことですが、いざ自分事になると…うっかり、というやつです。
会社設立直後の融資は事業への本気度が見られる
会社設立直後の融資は受けやすいというのは、一般的に事実ですが、当然事業がまだほとんどスタートしていない状況なので、金融機関は、経営者とビジネスモデルを見ます。
特に経営者の本気度があらゆる角度から確認されます。
・過去のキャリア
・過去のキャリアと起業した事業との関連性
・資本金をどのように準備したか
・今までの貯金はいくらあるのか。
・これからの生活費はどうするのか。
・ビジネスモデルはどうか?
・数年間の事業計画(数字)はできているのか?
・借入金の資金使途をしっかりと説明できるか?
このように、事業について、しっかりと検討している経営者であれば容易に回答できることが聞かれます。
しっかりと検討していない経営者の方だと、「あ、、、」となり回答できません、ということになります…
たとえ数字について考えるのが苦手であっても、自分で理解できるように考えることが重要とです。上手に説明する必要はありません、担当の方に理解してもらえるように、誠実に回答すればOKです。
余裕を持ったスケジュールを。即日OKがでるわけではない
金融機関からの融資を受けようと思い、金融機関へ面談へ行ったとしても、その日にOKがもらえることは殆どありません。
その金融機関との取引が初めてであればなおさらです。何も知らない人と1時間足らず話してお金を貸してあげよう!と思う人はいませんよね。もう少し、アレコレ教えてとなるのが普通の感覚ではないでしょうか。
そんなこんなで、やり取りをしていると、結構時間がかかるのです。
借入できるかわからない…という微妙な状態で過ごす時間って、なんとも言えませんよ。
書類の準備にも時間がかかりますし、何かと時間がかかるので、余裕を持ったスケジューリングをおすすめします。
まとめ:お金がないと事業はまわらない
私は、創業時こそ金融機関からの借入を検討したほうが良いというスタンスです。
なぜか?
それはお金がないと事業がまわらないからです。
アイディアはあるが、お金がない
そう言われても、正直私は困ってしまいます。
ベンチャーキャピタルの方を紹介することは可能ですが、彼らにも投資領域、投資ステージ、投資先の経営者との相性があるので、必ずお金を集められるとは限りません。
あと少しお金があったら、あんなこともできるのになぁと思う時間って勿体なくないですか?
金融機関からお金を借りることで、その時間をなくすことができます。
どうしてもベンチャー企業といえば増資だ!と考えている方が多いようですが、金融機関からの借入を資金調達の選択肢の一つに持ってみてはいかがでしょうか。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
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