こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
先日頂いた質問です。これ、勘違いされている方も多いのではないでしょうか。
顧問料を1年分前払いすれば、節税になるんじゃないか!!
これ、実は節税にはできないのです。
あれれ、経費を一年分前払いすれば、全額損金計上できるって聞いたんだけどなぁ?という方、それにはちょっとした要件があるのです。
短期前払費用の特例とは?
通常、期末時点で役務の提供を受けていない、支払い済みの費用については、前払費用として資産計上されます。
ただし、一定条件を満たす前払費用は、「短期前払費用」として支払った事業年度の損金として計上することが可能です。
これを短期前払費用の特例といいます。
わかりやすく言えば、本来的には前払費用なんだけど、一定のものについては、支払ったときに費用計上してOKということです。
その一定の要件とは?継続適用が大前提!
短期前払費用に該当するためには、一定の要件を満たす必要があります。
その要件とは、以下のものになります。
・継続的に役務の提供を受けるための支出
・役務の対価としての支出であること
・支払った事業年度に役務提供が開始していること
・支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものであること
・翌期以降について時の経過に応じて費用化されるものであること
・現実にその対価を支払っていること(未払でないこと)
・継続適用すること
たくさんありますが、短期前払費用の特例は、特例を受けたい期には支払いが完了している必要があります。そう、未払の状態ではいけません。
継続に役務の提供を受ける予定であったり、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものであったり、勘違いしやすい要件が揃っていますので、適用をしようとする際には慎重に判断してください。
短期前払費用になるもの【Good List】
短期前払費用の特例が使えるものは以下のものです。
・土地建物の賃料/これは絶対に活用すべしです。毎年発生しますしね。
・借入金の利子
・保険料
・リース料
ならないもの【Bad List】
短期前払費用にならないものは、以下のものが挙げられます。
・税理士の顧問報酬
・弁護士の顧問報酬
・前払給料
税理士や弁護士への顧問料を一括支払いとして、今期の節税に使いたいです!とおっしゃってくださるお客様、顧問料は短期前払費用の特例が使えません。
節税したいのであれば、スポットでご相談をいただけると損金になりますよ~。
まとめ
弁護士や税理士への顧問料を一括で支払ったとしても、翌期に対応する部分は損金にはなりません。前払費用として資産計上し、徐々に取り崩していく必要があるのです。
原則だとか特例だとか、細かい話がたくさん出てきますが、細かいルールを決めておかないと、何でもかんでも一括支払いして節税しようと考える方が続出してしまいますからね。
ルールに則った上で、つかるものは最大限活用していきましょう。
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