こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
民泊投資をして節税!!しましょう、って実はおかしな話です。
民泊は不動産所得ではないので、損益通算ができません。
勘違いしている方は注意が必要です。
民泊は雑所得
民泊による所得は、仮想通貨の売却等による所得と同様に”雑所得”に区分されます。
国税庁のHPにも民泊による所得が雑所得に区分されることが示されています。
3 民泊による所得
※ 個人が空き部屋などを有料で旅行者に宿泊させるいわゆる「民泊」は、一般的に、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものですので、単なる不動産賃貸とは異なり、その所得は、不動産所得ではなく、雑所得に該当します。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1906.htm
仮想通貨の売却益も雑所得、民泊も雑所得…最近雑所得に区分される所得が増えてきている気がします。
旅館業法を取得していても雑所得
旅館業法を取得しているのであれば、不動産所得に該当しそうな気がします。先ほどのタックスアンサーを見ていなかったら不動産所得に分類されると判断を下す税理士も多いはず。
ところが、一般的な民泊サービスは、不動産の貸付だけではなく、外国人に対するおもてなし等の観光サービスを伴うものとして雑所得に分類されるとされています。
雑所得は損益通算ができない
雑所得に区分されてしまった場合の致命的な点は、損益通算ができないことです。
損益通算とは、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得において損失が生じた場合に、総所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から当該所得において生じた損失を控除することができる制度です。
民泊投資で言えば、民泊投資が不動産所得または事業所得に区分されるのであれば、民泊投資から生じた赤字を例えば給与所得と相殺することができたのです。
しかし、民泊投資は一般的には雑所得に区分されます。雑所得は損失が生じた場合に損益通算可能な所得には含められていませんので赤字が出たら、同じ雑所得に区分される所得との相殺しか認められないことになります。
仮想通貨も雑所得に区分されるので、仮想通貨の損益と民泊の損益を通算するのはありかもしれません。とはいえ、損益を合算できるという事はどちらかで損が発生しているということですけどね。
不動産投資と同様に節税効果があると考えて、多額に経費を計上すると無駄な出費に終わる可能性があるということです!
民泊をはじめとするシェアリングエコノミーは雑所得?!
シェアリングエコノミーという言葉が少しずつ世の中に浸透してきています。
総務省のHPによると、シェアリングエコノミーは次のように示されています
「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。貸し借りが成立するためには信頼関係の担保が必要であるが、そのためにソーシャルメディアの特性である情報交換に基づく緩やかなコミュニティの機能を活用することができる。シェアリング・エコノミーはシリコンバレーを起点にグローバルに成長してきた。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242110.html
民泊を代表とするようにネットの普及により急速に広がったシェアリングエコノミー。基本的には遊休資産の貸し出しであり、純粋な事業や不動産投資ではないため雑所得に区分されることが多いようです(当然個別の諸条件等を総合的に判断し所得区分を判定する必要があります)。
つまり、節税を謳い文句に集客しているシェアリングエコノミー事業には注意が必要だという事です。
まとめ
民泊で節税!
なんだか、流行りの民泊運営で節税までできてしまうという夢のようなスキーム。
世の中には美味しい話ばかりではありません!これって本当なの?というような儲け話には裏があります。いいじゃん!とすぐに喰いつくのではなく、いったん立ち止まって検討することをお勧めいたします。
税理士は様々な商品の課税関係を理解しているので相談するにはちょうど良い相手かもしれません。
民泊に関しては、規制が厳しくなる、地元住民からの厳しい声が上がっている等の声も聞こえてきています。税金だけではなく、他の側面からも不動産投資とは大きく異なる制度となっているので総合的に投資判断をするようにしましょう。
【少しだけ相談したい方向けに、スポット相談も実施中です】
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【プロフィール】
・プロフィール
【主な業務内容】
・スタートアップ支援
・事業承継対策
・M&Aサービス
・税務顧問業務
・個別コンサルティング業務
・コスト重視プラン
公認会計士・税理士澤田憲幸に問い合わせしてみる
起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。