こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
ちょっとしたクイズです。
「10%値下げしてくれたら、購入数量を20%増やします」と言われた場合、あなたならどうしますか?
正解:一度、利益についてよく考えてみる
10%値引くだけで、20%も多く購入してもらえるなら、、、、沢山販売しよう!!と思ってしまう方が多いのではないでしょうか。
気持ちは非常によくわかります。
販売数量の増加率が値下げ率よりも大幅に上回っているのですから。
ただし、冷静になって利益を計算してみてください。驚くべき結果になります。
利益の計算
通常の販売価額で、予定販売数量だけ商品が売れた場合(ケース1)と、通常の販売価額の10%値引きで、予定販売数量の2割増しで商品が売れた場合(ケース2)の利益を計算してみます。
【前提】
・通常の販売価額:10,000円/個
・予定数量:100個
・原価:7000円/個
ケース1:通常の販売価額で予定数量だけ商品が売れた場合
売上:10,000円×100個
原価:7,000円×100個
利益:300,000円=売上(1,000,000円)ー原価(700,000円)
利益率:30%=利益(300,000円)/売上(1,000,000円)
ケース2:通常の販売価額の1割引きで予定数量の2割増しで商品が売れた場合
売上:(10,000円-10,000×10%)×120個
原価:7,000円×120個
利益:240,000円=売上(1,080,000円)ー原価(840,000円)
利益率:22%=利益(240,000円)/売上(1,080,000円)
計算結果の検証
利益は計算しただけで終わりではいけません。その数字を検証してこそ意味があります。
今回、通常の販売価額で予定数量だけ売れた場合の利益は300,000円ですが、10%値引きした場合は2割販売数量を多くしたにも関わらず、利益は240,000円と、通常の場合を大きく下回ってしまいました。
利益率が30%から22%まで低下していることが原因です。
10%の値引きが、8%の利益の低下を招いたのです。
値引前の100個の販売による300,000円の利益を獲得するためには、10%値引き後の商品を150個販売しなければ300,000円の利益をねん出することはできません。
たった10%の値引きが、1.5倍の販売数量になって返ってきました。
つまり、10%値引きをするのであれば、もともとの数量の1.5倍以上の数量を購入してもらわなければ利益的には赤字になってしまうのです。
会計的に考える
会計的に考えるとはこのように考えることです。
1つの商品を販売するにしても、商品の原価を意識し、利益について予め知っておく必要があります。
お得に見える今回の10%の値引きで20%の販売数量の増加、これを全社員が行ったらどうなるでしょうか。
会社は商品を売っても売っても儲かっている実感がないはずです。それは商品の利益率が値引きによって大きく下がることが原因です。
売れればOKという思考に営業サイドは陥りがちですが、会計的に考えるとそれは必ずしも正しくない場合があるのです。
会社に利益がより多く残せる方法を、営業サイドと共有することで会社の利益率を大幅にアップさせることができるはずです。
会計的に事業を分析してみたいという経営者のかたは是非、澤田公認会計士・税理士事務所までご相談ください。
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