【会社法】株式交付制度を創設へ

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

TAマスター No729に会社法制の見直しの中間試案についての記事がありました。

株式交付制度が新たに創設されるようです。

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株式交付制度とは

会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案において、株式交付とは以下のように定義づけられています。

「株式交付」とは、株式会社が他の株式会社(これと同種の外国会社を含む)をその子会社とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、その譲渡人に対して当該株式会社の株式を交付することをいうものとする。

当該制度を利用することで、株式会社が他の株式会社を子会社としようとする場合に、会社法第199条第1項の募集によらず、株式交換と似た形で、当該株式会社の株式を当該他の株式会社の株主に交付することができるようになります。

株式交換のように完全子会社化するほどではないが、株式を対価とした子会社化をしたいというニーズに答えるものです。

現行制度上の問題点

完全子会社ではなく、子会社としたい場合は、対象会社株主が、買い手企業に対して対象会社株式の現物出資を行い、その対価として買い手企業の株式を交付するスキームを取らざるを得ません。

買い手企業の立場からすると、対象会社株式を現物出資財産として募集する必要があります(会社法第199条)。現物出資による募集を行う場合は検査役に現物出資財産の価額を調査してもらう必要があります。当該調査は多額の費用と数か月の期間を要するため、ちょっと使い勝手がよくありません(当然、検査役の調査を省略できるケースもたくさんあります)。

参考:検査役調査を省略できる場合

一  募集株式の引受人に割り当てる株式の総数が発行済株式の総数の10分の1を超えない場合

当該募集株式の引受人が給付する現物出資財産の価額

二 現物出資財産について定められた第199条第1項第3号の価額の総額が500万円を超えない場合

当該現物出資財産の価額

三 現物出資財産のうち、市場価格のある有価証券について定められた第199条第1項第3号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合

当該有価証券についての現物出資財産の価額

四 現物出資財産について定められた第199条第1項第3号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産が不動産である場合にあっては、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合

当該証明を受けた現物出資財産の価額

五 現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第199条第1項第3号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合

当該金銭債権についての現物出資財産の価額

株式交付計画が必要

株式交付をする場合には、株式交付計画を作成し、所定の事項を記載する必要があります。

所定の事項に関する代表的なものを紹介します。

  1. 子会社となる他の株式会社の商号及び住所
  2. 株式交付により譲り受ける株式交付子会社の株式の数の下限
  3. 株式交付により株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数又はその数の算定方法並びに増加する資本金及び準備金の額
  4. 株式交付により株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として株式交付親会社の株式以外の財産を交付するときは、当該財産の内容等
  5. 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する3.の株式の割当てに関する事項
  6. 株式交付子会社の株式の譲渡しの申し込みの期日
  7. 株式交付がその効力を生ずる日

株式交換と似ていますね。

まとめ

完全子会社ではなく、子会社にしたいというニーズは、確かによく耳にします。

グループ法人税制の絡みもあるため一概にどちらが良いのかは言えませんが、完全子会社化するのか、子会社化で留めておくのかは、買収時に検討すべき重要なポイントの1つであることは間違いないでしょう。

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愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
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