住宅を取得するために、親御さんから少しばかり援助をしてもらった方もいるのではないでしょうか。
色々な人と話をしていると、少しだったらばれないのではないか?どれぐらいの確率でばれるのか?と頻繁に聞かれますが、私は税務署の人ではないので正確にはわかりません。
実際に税務調査が入った事例
国税庁が公表した平成26事務年度における相続税の調査の状況では次のような事例が紹介されています(税務通信No.3384号)。
住宅取得等資金の贈与について無申告(東京局)
贈与税:申告漏れ課税価格 約1,500万円
追徴税額(加算税込み) 約650万円
住宅を取得していた受贈者Jは,その原資等を確認するための「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」について,住宅取得の原資はJ本人の手持現金と銀行借入により賄った旨を回答した。調査の結果,銀行の住宅ローンに係る資金計画に両親からの資金の贈与が組み込まれていたことや,両親の預金口座からJの預金口座への入金等の手続の際に,同行して手続を行っている事実を把握した。
住宅を購入するために贈与を受けたにも関わらず、贈与税の申告書を提出しなかったため、調査で贈与の事実がばれてしまった事例です。
本事例では1500万円が両親から子に対する贈与とされています。本事例では、重加算税まで課されてしまっているようです。
対策方法~どうすれば追徴を受けなくても済んだのか?
住宅を購入するために、両親から資金を贈与してもらった場合、「贈与を受けた場合は住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けることで一定金額まで贈与税が課されません。
対応策の答えとしては、「贈与を受けた場合は住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受ければよかったのです。
住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例を適用するためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります(色々添付書類がありますね…)。
注意点
非課税限度額は住宅の種類や住宅用家屋の取得等に係る契約の締結の時期によって異なるため、やや難解です。
当該特例の適用を受ける贈与金額は全額住宅の購入資金に充てる必要があります。
お金には色がないといいますが、贈与により得たお金は住宅取得以外の用途に使ってはいけません。住宅購入資金に充てられていない場合は贈与税として認定されるでしょう。
簡単に言えば、住宅を取得するまでに、贈与を受ける必要があるということです(ただし、他の要件との兼ね合いがあるので、贈与の時期が早ければいいというわけでもありません。安易に贈与する前に税理士に相談しましょう)。住宅ローンを組み、売主に住宅の対価を支払った後に両親から贈与を受けた場合は、贈与金額は住宅ローンの返済に充てられると考えるため住宅購入資金に贈与金額が充てられたことにはなりません。
ややこしいです。。。
まとめ
この特例を最大限に利用することで、贈与税が課されることなく、財産を子供や孫に移転させることができます。
若い世代にマンションや家を買わせたいための政策だとは思うのですが、もう少し適用しやすい要件にしていただきたいものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
編集後記
今日は家でカマタマうどん。カトキチの冷凍うどん美味しいです。
一日一新
カクオウザンラダーのチーズバーガー
家でカマタマうどん
公認会計士・税理士澤田憲幸に問い合わせしてみる
起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。
税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。