こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
経理を始めたばかりの方、スタートアップで働いている過去に経理経験のない方向けです。
クラウド会計(マネーフォワード)で入力はしてみたが不安なのでチェックをお願いします!と言われることが多い(税務顧問業務の内容に試算表の確認が入っているので当然なのですが)わけですが、入力した本人に、何が正解なのかがわからないので、本当に入力しただけというケースが非常に多いです。
試算表の確認ポイントをご紹介します。
1.マイナス残高がないか?
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、マイナス残高がないのかを一番最初に確認しましょう。
意図せぬマイナス残がある=仕訳の何かが間違っているということです。
個別の勘定ごとにチェックをする前に勘定科目や補助科目にマイナス残高がないかを確認することをお勧めいたします。
2.普通預金
マイナス残高がなかったら、順番に確認していきましょう。
第1号は、普通預金です。
3月末の通帳残高、3月末の試算表の残高が一致していればOKです。最高です。
万が一、一致していない…ということであれば、普通預金の補助元帳でズレの原因を突き止めましょう。あるべき残高と試算表上の残高の差額から、あやしい仕訳のあたりをつけるのが良いです。普通預金(UFJ)等の普通預金勘定が必ず悪さをしているので、重点的にチェックしましょう。
源泉税の納付や法人税の納付時に、独自の仕訳をすることにより、現金預金の残高がズレることが多い印象です。
MF会計を利用の方は、売掛金が未入金にもかかわらず。【売掛金】の入金ボタンを押してしまっているケースもよく見かけます…売掛金の消込は実際に入金があった時ですよ。
普通預金の残高は絶対に一致させるようにしてください。
お金の出入りを把握するだけで、一致させることができる部分です。通帳と仕訳帳を突合すれば必ず問題解決ができるはず。普通預金の残高が一致していないのは一番心証が悪いです(管理できていない会社なのかなと穿った見方をしてしまいます)。
3.売掛金
続いては売掛金です。
売掛金は、N月に請求書を発行したが、N月末時点では入金がないというものを指します。
例えば3月末に請求書を発行すると、入金があるのは4月以降です。未回収の請求書の残高である売掛金の残高が、自社で把握している売掛金の残高と一致しているのかを確認します。
一致していれば、売上が漏れなく計上されていることを意味するのでOK。一致していない場合は、何かが間違っています。
一致しない原因としては、MF会計の場合は、未入金にもかかわらず「実現」ボタンを押してしまったこと等の要因によります。
ちなみに、粉飾している会社は売掛金や棚卸資産の金額を膨らませることにより粉飾をすることがあります。ただし、この手法は見る人が見れば、早々にバレます。だって、おかしいですもん。
4.仮払金/立替金
仮払金や立替金は、ごみ箱のように利用されがちです。放置しておくと、すぐに忘れてしまいます。
前月と比較して、金額が増えている場合は、摘要欄に内容を詳細に記載する等して内容を忘れないようにしましょう。
極力、仮払金や立替金は利用しないで進められると良いです。
5.買掛金/未払金/未払費用
現金主義の会社にはでてきませんが、買掛金、未払金、未払費用も要チェックポイントです。
これらは何かを購入した、役務提供を受けたが、支払いが完了していないものたちです。
3月に仕入れたが、支払は4月といった類のものです。
3月末締め、4月10日支払の給与もこれらに該当します。給与の場合は、翌月10日に支払う要支給額と試算表上の数字が一致しているのかを確認すればOKです。未払給与の額が一致していないということは、誰に過大に給与を支払っているor給与の支払いが不足しているという由々しき事態が発生していますので、大至急確認が必要です。
社会保険料の金額もチェックポイントです。一度ズレると修復が難しいと私は感じています。なぜだかよくわからないですが。
3月に役務の提供を受けたが、翌月以降に支払うべきものが、漏れなく計上されているかを確認してください。漏れなく、というのがポイントです。社内で別途未払金等の一覧表を作成しているのであればそちらと突合してみましょう。クレジットカードの明細があれば、そちらと残高チェックをするといった意味合いです。
6.借入金
長期借入金、短期借入金の借入残高と、実際の借入金残高が一致しているかを確認しましょう。
ズレているケースでは、借入金+支払利息の合計金額を借入金の返済として仕訳をしてしまってるケースがあります。
借入金残高も普通預金と同様、原則的にはピタリ一致しなければならない勘定科目です。絶対に一致しているかを確認しましょう。
まとめ
最低限、月次の試算表を作成したい!という企業がチェックすべき貸借対照表項目についてコメントしました。
ここが一致していれば、大間違いはしていないので経営判断有益な試算表と言えるでしょう。
月次試算表は、賞味期限があります。3月の月次試算表が5月に完成しても、それはもう2か月前の話です…2か月前の数字を基に経営判断をするのでしょうか?それでは遅すぎます。翌月の10日ぐらいまでに完成できると最高です。
月次試算表の作成ができるようになったら、予実管理です。試算表を作成しておしまいではありません。経営判断に資する有益な情報を試算表から取り出すことが最大の目的です。月次試算表を作成して満足して(息切れして)、最大の目的を見失わないようにしましょう。
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