こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
最近、またビットコインの価格が上昇基調にあります。
80万円にタッチするとか、タッチしないとか。一時期は30万円台まで見事に低迷していたのに謎の復活劇。
さて、そんな復活基調にある仮想通貨の法定評価方法が明らかになりました。
総平均法が原則!移動平均法ではない。
仮想通貨の取得価額の計算方法は、「総平均法」か「移動平均法」で計算するとされていました。
「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」
こちらでは、「移動平均法」によるのが相当とされており、「総平均法」でも良いとという書きっぷりでした。
ところが、平成31年度の税制改正において、「総平均法」が法定評価方法とされました。
おそらく、移動平均法で計算するのが大変な方が大勢いるので、総平均法を法定評価方法にしてしまえ!という判断がなされたようです。
仮想通貨の【取得時】には評価の方法に関する届出書が必要
仮想通貨の評価方法は、種類ごとに選定することができるようです。
仮想通貨の取得をした日の属する年分の所得税の確定申告期限までに、評価方法について税務署へ届出る必要があるようです(つまり、原則としては、仮想通貨を取得したら評価方法を決めなければいけないってことのようです。ただし、評価方法選定の届出書を提出しない場合は、自動的に総平均法により計算するとのことです。)。
評価方法を変更するときにも変更手続きが必要です
平成31年度税制改正において原則的な計算方法とされたのが「総平均法」です。
総平均法以外の評価方法、つまり「移動平均法」によって仮想通貨の取得価額を計算するにあたっては、評価方法を変更手続きをする必要があるようです。
仮想通貨の取扱いまとめ
どんどん複雑?いや、コロコロ変わって複雑な仮想通貨の取扱いですが、これからは「総平均法」これです!
税務通信#3555にまとめが記載してありました。
【仮想通貨取引の取扱い】
法定評価方法……総平均法
評価の方法………総平均法,移動平均法
所得区分…………原則は雑所得(事業と認められる場合,事業所得)
仮想通貨の評価の方法は、やはり難しい
仮想通貨の評価方法の詳細については所得税法施行令192条の2(仮想通貨の評価の方法)に記載されています。
総平均法と移動平均法の計算方法が記載されています。種類ごとに区分して同じ種類ごとに計算していきましょうというお話です。
ここは読めばそのままなのでOKなのですが、第2項は次のように書かれています。
前項各号に規定する取得には、仮想通貨を購入し、若しくは売却し、又は種類の異なる仮想通貨に交換しようとする際に一時的に必要なこれらの仮想通貨以外の仮想通貨を取得する場合におけるその取得を含まないものとする。
前項各号というのは、所得税法施行令192条の2の1項に記載されている、総平均法と移動平均法のことです。
計算上、一時的に必要なこれらの仮想通貨以外の通貨を取得する場合におけるその取得を含まないものとするとされています。
取引所によっては、BTCを基軸通貨としなければ交換できない仮想通貨があると思います。
その場合、必要な仮想通貨以外の仮想通貨にBTCが該当することになると思います。これはBTCの取得には該当しないものとして計算してOKということになるのでしょうかね。
税理士側からすると、クライアントさんが必要な仮想通貨がどれで、必要な仮想通貨以外の仮想通貨がどれなのかを把握することは不可能なのですが、どうしたらよいのか…
「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」のようにわかりやすい、仮想通貨の取扱説明書を国税庁様が改めて出してくださることを期待することにします。
まとめ
仮想通貨の計算方法が総平均法となりました。これはこれでびっくりなのですが、届出書の提出を求められることもさらに驚きです。
2018年は仮想通貨含み損や損失実現をされた方が非常に沢山いらっしゃいましたが、このままいけば含み益が発生する方も増えてくるのではないでしょうか。
引き続き仮想通貨の動向には注意していきたいものです。
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