こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
確定申告の時期もあと10日で終わりです。1年間の税金計算をお正月を含めた2.5か月で完了させなければならないなんて、不思議なスケジュールです。
それだったら、何月に締めるのがベストなのか?と言われてもわかりませんが…
本日は、確定申告を毎年している方!ではなく、する必要はあるんだけど、毎年していない方向けの記事です(個人事業主も、法人もほぼ同じです)。
無申告の方の多くは、悪気があって無申告としている方から、悪気はないが気がつけば無申告の期間が長くなっていた(税法の無知)という方まで事情は様々です。
税務署からすれば、悪気があろうがなかろうが無申告である事実には変わりがないので、税務調査ではこっぴどくやられる可能性もゼロではありません。
そんな無申告の方々に共通する、勘違いをご紹介します。
勘違い1:直近の分のみの申告をすればよい
過去、確定申告をすべきなのに、確定申告をしていない人は、何年分の申告をすればよいのでしょうか?
なぜ5年?
という疑問が生じると思います。なぜなら、多くの方は過去に確定申告書を提出していなくても、直近分の確定申告書を提出すればよいと思っているからです。
逆に、過去無申告の期間全てについて確定申告しなければいけない、と思っている方もいらっしゃいます。
これは、税務署長により納税者の納税額を確定できる期間が、5年(原則)とされているためです。
ただし、意図的な無申告、脱税等をしていた場合、過去7年間分までとされています。
無申告の方が、平成最後の確定申告で、気持ちも心機一転リフレッシュしたい!という場合、平成30年、平成29年、平成28年、平成27年、平成26年分の申告をするのが良いと思われます。念のため過去7年分を申告するのであれば、それはそれで良いのではないでしょうか。
ただ、自主的に申告をする方であれば、基本的には過去5年分の確定申告をしておけば問題ありません。
勘違い2:税金が多額に発生する
確定申告をしたことがない方にとっては、税金計算というのはブラックボックスです。
そう、だから確定申告が恐怖なのではないでしょうか。
確定申告をしていない、いくら税金を支払えばいいのかわからない、なにから手を付けるべきなのかわからない…となるとわからないことのオンパレード。
もしかしたら数百万円も税金が発生するんじゃないか?
といった疑問をお持ちではないでしょうか。
安心してください、個人事業主の方の税金は所得(税金計算上の利益)が300万円以下の場合は税率20%です。法人の場合、30%程度です。
具体的には、売上1000万円、利益200万円の方の場合、税金は40万円(200万円×20%)だと心しておいていただければ十分です。
過去の無申告分がある場合、過去分を合算した税額になる点ご留意ください。3年間無申告の場合は120万円(=40万円×3年)です。
勘違い3:税務署に怒られる
確定申告書は毎年提出しなければいけないのに、一度も出したことがない。
いつか税務署に怒られるんじゃないか?と不安になっている方がいらっしゃいます。
TVドラマみたいに、怒られることはないので安心してください。あれは巨額の脱税等で事件になっている場合です。もちろん、税務署からすれば無申告の人がいる状態自体が事件ではあるのですが、税額のインパクトが一桁も二桁も三桁も違う場合のことです。
税務署は確定申告をすべき人が、本来あるべき姿になった(確定申告をした)ことについて、怒ったりはしません。納税義務を守ってくれてありがとうという気持ちになるはずです。
もちろん、売上の除外や経費の架空計上をしている場合は怒られます。これは当然ですよね。
期限後申告であっても適正に申告書を作成していれば、怒られることはありませんのでご心配なく。
勘違い4:税理士に怒られる
税理士に怒られるんじゃないか?という懸念をお持ちの方も少なからずいらっしゃいます。
税理士の立場から申し上げると、怒りません。
怒っても、過去の申告書ができるわけでもないですし、過去無申告であったという事実が消えるわけでもないためです。
怒るわけではないですが、困らされるお話としては次ような場合です。
「資料は見つかりませんでした!税金は安くしてください!」
というもの。このような場合、怒りを通り越して呆れてしまいます。
税理士に怒られるかもしれないので、確定申告をしない!というのは、本末転倒なので、確定申告はしましょう。少なくとも私は怒りません。
まとめ
様々な理由があって確定申告を行わずに、数年間経過してしまったという方は少なからずいると思います。
その誰しもが、いつかは確定申告しないとな、税務署から電話があったらどうしようかな、という心の奥底に不安を抱えているのではないでしょうか。
毎年、2月から3月は確定申告の真っただ中、目にしないようにしていても確定申告についての情報が入ってきます。
あぁ、今年も確定申告していない…と思いながら過ごす生活から脱出しましょう。
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