【スタートアップ】エンジェル税制続き:投資契約書編

こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。

スタートアップ企業に投資すると、投資家にもメリットがあるというエンジェル税制の続きです。

前回の記事はこちら。

【スタートアップ】エンジェル税制ってご存知ですか?投資家のためにも整備すると【吉】

投資契約書の内容を見てみる

エンジェル税制の適用を受けるには、会社と株主の間で投資契約書を締結する必要がありました。

投資契約書と言われても何を書いていいのかわからないというのが、本音だと思います。

中小企業庁のHPからひな形をダウンロードすることが可能です。

こちらがその株式投資契約書になります。

株式投資契約書

●●●●株式会社(以下「甲」という。)と●●●●(以下「乙」という。)は、○○○○株式会社が発行する普通株式(以下「本株式」という)の取得について下記の通り、株式投資契約を締結する。

第1条(発行株式総数及び払込金額)
甲により発行される株式は1株あたり○○万円、総数○○株とし、払込金額は○○○万円とする。

第2条(取得株式数、取得価額及び取得価額の総額)
乙が取得する株式数は○株とし、取得価額の総額は○○○万円とする。

第3条(株式払込方法及び払込期日)
甲により発行される株式の払込方法は●●とし、払込期日は平成○年○月○日とする。

第4条(乙が甲に対し約束する事項)
1. 基準日(租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号)第18条の15第8項第1号イに規定する基準日(乙が租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第41条の19の規定(以下「寄附金控除に係る規定」という。)の適用を受けようとする場合には、租税特別措置法施行規則第19条の11第7項第1号イに規定する基準日)をいう。以下同じ。)において、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号)第25条の12第1項第1号から第7号までに掲げる者(乙が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第26条の28の3第1項第1号から第7号までに掲げる者)に該当しないこと。
2. 甲から与えられた租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第29条の2に規定する新株予約権に係る同条第1項本文の規定の適用を受けないこと。
3. 株式を取得した時以後に、保有する株式の数に変更を生じさせる事実が発生したときには、当該事実の内容、当該事実の発生した年月日、当該事実により変更のあった株式の数及びその他参考となるべき事項について甲に報告すること。

第5条(甲が乙に対し約束する事項)
1.第4条第1項に掲げる事項を確認した場合には、租税特別措置法施行規則第18条の15第8項第2号に掲げる書類(乙が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第19条の11第7項第2号に掲げる書類)を作成し、乙に交付すること。
2.基準日において、中小企業等経営強化法施行規則(平成11年通商産業省令第74号。以下「規則」という。)第3条第1項各号に掲げる要件に該当するものであること。
3.乙が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、基準日において、規則第4条の2第1項各号に掲げる要件のいずれかに該当するものであること。
4. 基準日以後遅滞なく、規則第5条に規定する手続(乙が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合(甲が同令第4条の2第1項の確認を受けていない場合に限る。)には、同令第5条の2に規定する手続)を行い、同令第5条第4項に規定する確認書を乙に交付すること。
5. 租税特別措置法施行規則第18条の15第8項第3号に掲げる明細書(乙が寄附金控除に係る規定の適用を受けようとする場合には、同令第19条の11第7項第3号に掲げる明細書)を作成し、乙の求めに応じて交付すること。
6. 次のいずれかに該当することとなったときはその旨を証する書面を作成し、乙に交付すること。
一 清算の結了又は特別清算の結了があったとき。
二 破産法(平成16年法律第75号)第30条第1項に規定する破産手続開始の決定があったとき。
三 発行する株式が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場又は同法第67条の11第1項に規定する店頭売買有価証券登録原簿に登録されたとき。
7. 1.から6.までに掲げるもののほか、乙が租税特別措置法第37条の13、第37条の13の2又は第41条の19の規定の適用に関し必要な情報の提供及び書類の交付を行うこと。

本契約書の成立を証するため、本契約書を2通作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。

ひな形通りであれば、最低限これだけの事項を記載しておけばOKです。

ひな形の投資契約書の内容を確認!

投資契約書を一目見ただけでは、意味不明だと思うので、1条ずつ確認してみます。

第1条:発行済株式総数及び払込金額

今回の投資により発行される株式の1株当たりの株価と、発行総数、その総額を記載します。

複数の投資家から出資を受けるのであれば、投資家達との調整をする必要があります。

調整というのは、どの投資家からいくら出資してもらって、総額いくら集めなきゃ、という話です。

第2条:取得株式数、取得価額及び取得価額の総額

投資契約書は、投資を受ける会社と、投資家がそれぞれ締結するものです。

第1条では投資の総額を定義しましたが、第2条では投資家各人が引き受ける株式数と投資金額を記載します。

第3条:株式払込方法及び払込期日

総資金額の払込の方法と、払込の期日を記載しておきます。

金融機関口座への振込になるのが一般的かと。

第4条:乙が甲に対し約束する事項

投資家が、会社に対して約束する事項が記載してあります。

1.対象外の株主ではないですよ。

2.投資する会社から新株予約権を受取っていません。

3.株式の保有状況に変化が生じた場合は都度連絡します。

ということを投資家から会社に対して契約書上で約束しています。M&Aの契約書でいう表明保証と似たようなものです。

第5条:甲が乙に対し約束する事項

次は反対に、出資を受けた会社が投資家に対して約束する事項です。

1.エンジェル税制の適用を受けようとする際の必要書類は、きちんと投資家に提出します。

2.私たちは中小企業等経営強化法施行規則に掲げられている要件を満たしている法人です。

3.エンジェル税制の適用要件のうちいずれかは満たしています。

4.確認書は投資家にきちんと交付します。

5.株式の異動事項について記載した書類を交付します。

6.清算結了、特別清算等に該当する際は、その旨を記載した書面と投資家に交付します。

7.その他必要なものがあれば提出します。

ざっと記載するとこんな感じです。

まとめ

スタートアップ企業にこれだけの契約書を準備させるのは酷ではなかろうか…と思ってしまいます。常々申し上げている通り、スタートアップやベンチャー企業はヒト・モノ・カネが慢性的に不足しているためです。

エンジェル税制があるから投資家が投資してくれて、資金を集めることができるというのは一理あると思いますが、もう少し手続きを簡素化していただけるとエンジェル税制の適用企業が増えていくのではないでしょうか。

【少しだけ相談したい方向けに、スポット相談も実施中です】

顧問契約の他に、会計・税務に限らない、個別コンサルティングも行っています。 個別コンサルティングでは個別税務相談をはじめとし、会計士試...
スポンサーリンク

愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【プロフィール】
プロフィール
【主な業務内容】
スタートアップ支援
事業承継対策
M&Aサービス
税務顧問業務
個別コンサルティング業務

公認会計士・税理士澤田憲幸に問い合わせしてみる

はじめまして。愛知県名古屋市池下の公認会計士・税理士澤田憲幸です。

起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。

会社設立直後で税金・会計・財務まで手が回らない経営者の方、今の顧問税理士にご不満のある方、事業承継対策に悩んでいる方、M&Aの話を金融機関等から提案されたが得な話か損する話か判断ができない方は一度ご相談ください。

税務・財務の知識の有無で経営判断は大きく変わってきます。
澤田公認会計士・税理士事務所が貴社のブレインとなって全面的にサポートさせていただきます。

シェアする

フォローする