こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
中小企業の社長さん、会社の営業マンは、値引きしてでも受注しなければ!!と考えている方も少なくないはず。なぜなら、受注ゼロでは売上が立たないから。
売上が立たなければ、話にならん!というのは当然の話です。
ところで、値引きと利益の関係を考えたことはありますか?
【前回:値引きと販売数量の関係】
数パーセントの値引きが利益に与えるインパクトは絶大
「値引きしてくれたら、この商品を買います」と言われたことはありませんか?
「少しぐらいの値引きで、商品が買ってもらえるのであれば、まぁいいか」と商品を販売したことはありませんか?
その値引きが、利益に与える影響額を考慮したうえでの値引きであれば問題ないです。問題なのは、利益に与える影響を考えず、受注ありきで値引きをしているケースです。
数字を使って検証してみます。
【前提】
・通常の販売価額:10,000円/個
・予定数量:100個
・原価:9000円/個
・販売費等:300,000円
ケース1:通常の販売価額で予定数量商品が売れた場合
売上:10,000円×100個
原価:6,000円×100個
利益:100,000円=売上(1,000,000円)ー原価(600,000円)-販売費(300,000円)
利益率:10%=利益(100,000円)/売上(1,000,000円)
正規の値段で商品を販売できたので、利益率は10%をキープすることができました。
これが会社としてあるべき利益率です。
ケース2:5%値引きし、予定数量商品が売れた場合
売上:(10,000円-10,000×5%)×100個
原価:9,000円×100個
利益:50,000円=売上(950,000円)ー原価(600,000円)-販売費(300,000円)
利益率:5.2%=利益(50,000円)/売上(950,000円)
5%の値引き(500円×100)しただけで、利益率が5%低下してしまいました。
金額的な影響額でいえば、本来100,000円の利益を計上できたところ、5%の値引きをしただけで50,000円の利益しか残せなくなってしまっています。
たった5%を値引いただけで、利益は50%(100,000円→50,000円) も下がってしまうのです。
気軽に値引きをしてはいけない理由を理解していただけたでしょうか。
1人の社員が数パーセントの値引きを気安くおこなうことが会社に与える影響は計り知れないのです。
まとめ
値引きは、当然ですが、しないのであればしないほうが会社にとってお得です。
何も考えずに、いいですよ5%値引きしますと回答すると、会社の利益率にダイレクトに響きます。
経営者目線をもって仕事すべきだ、という言葉を聞いたことがあると思いますが、これこそまさに経営者目線を持つことの重要性が認識できる事例ではないでしょうか。
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