こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
事業承継のお仕事をさせていただいていると、後継者がいないという経営者の方に頻繁に会います。
今や、国内企業の三分の二は後継者不在と言われている日本です。
事業承継のパターンは現実的には次の3通りです。
1)親族内承継
2)従業員承継
3)第三者承継
この1)~3)に該当しない場合は、清算・廃業です(IPOできれば話は別ですが)。
清算・廃業を予定している会社で、税金が納められそうにない場合であっても、会社をたたむことができるのでしょうか。
会社清算するときにかかる税金
会社をたたむ場合も税金はかかります。
清算事業年度には法人税、地方税、消費税といった、普段と同じ税金計算をする必要があります。
つまり、事業をやめようとしている会社からも税務署は税金を徴収しようとしているのです。おそろしいですね。
ただし、会社の清算事業年度では少しだけ普段の税金計算とはことなる点があるので注意が必要です(詳しくは顧問税理士にお尋ねください)。
会社を解散・清算するときの役員退職金についてはこちらをご覧ください。
もしかして、税金支払わなくてもいいの?
会社をたたんでしまえば、会社はなくなるわけでしょ?そうしたら誰が税金払うの?といった質問をいただくことがあります。
仰ることはわかります、そのとおりですよね。会社は登記上消滅しているので、誰が払うのか?といった疑問が生じます。
この点、国税庁はしっかりとケアしています。本当に税法って流石です。
法人税法基本通達1-1-7にズバリ記載があるのです。清算の登記をした場合であっても、税金が未納の場合は、なお存続するものとすると。
(清算結了の登記をした法人の納税義務等)
1-1-7 法人が清算結了の登記をした場合においても、その清算の結了は実質的に判定すべきものであるから、当該法人は、各事業年度の所得に対する法人税を納める義務を履行するまではなお存続するものとする。
登記上はもう会社がないのに、税務上は清算結了した会社であってもなお存続するものとして取り扱うのです。。
清算人も納税義務を負う
登記上、清算手続きが完了すれば会社は存在しません。当然、会社の実態としても存在しないと思われます。
それなら、税務署も税金を取り立てにこないね!一安心!と考えるのは気が早いです。
税法の世界には、第二次納税義務という聞きなれないワードがあります。
簡単に言えば、本来税金を納めるべき人が何らかの事情によって税金を納めることができない場合で、一定の場合は、その者に近い特定の人が税金を支払ってくださいというものです。
残余財産の分配がある場合に法人が税金を納めなかった場合、清算人と残余財産の分配又は引き渡しを受けた者は、滞納に係る国税について第二次納税義務を負うとされています。
清算人は残余財産の分配または引渡しをした財産の価額の限度において、その責めに任ずるとされています。
気軽に清算人になるのはやめておいたほうがよさそうです。
まとめ
会社が税金を納めずに会社を閉じることは法律上は難しそうです。
ただ、閉じた会社へ税務調査へ来たという話はあまり聞いたことがありません。税務署からしても清算してしまった会社へ税務調査へ行くよりも、稼働中の会社へ調査へ行こうという気持ちになるような気がします。
仮に税金を未納で清算結了の登記をした場合であっても、税務署は会社が存続するものとして扱ってくるという事だけは心に留めておいていただければと思います。