こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
ベンチャー企業やスタートアップ企業で、特に気にかけておくべき数字は何でしょうか。
売上?利益?
いえいえ、現金残高です。
現金残高だけは気にかけておく必要があるのです。
現金があれば倒産しない。
売上でもなく利益でもなく、現金残高を特に気にかけておくべき理由はなぜでしょうか?
それは、現金があれば倒産しないからです。
現金さえあれば、債務の支払いを済ますことができます。
反対に現金がなければ、債務の支払いができず、事業は終了です。
黒字でも現金がなければ倒産する
黒字倒産という言葉を聞いたことはありますか?
利益が出ているのにもかかわらず、倒産してしまうことを黒字倒産といいます。
なんだそれ、黒字なのに倒産するわけないし、と思っている方は要注意です。
黒字倒産は大口の取引先の突然の倒産により、売却代金が回収不能になること等の事由で資金繰りが悪化する際に生じることがあります。
運転資金が不足している等の状況が予め把握できているのであれば、銀行から融資を受けることができると思いますが、取引の倒産等の突然の事象には金融機関も対応できないことがあります。
黒字倒産は突然起きるのです。
黒字倒産が起きやすいケース
黒字倒産が起きやすいと思われるケースをご紹介します。
・取引先が特定の取引先に集中・依存している
・特定の事業分野に集中している
・特定の仕入れ先に依存している
・月次の試算表上で、利益ばかり気にしている
・現金残高を気にしていない
・売上の発生と入金のタイミングのずれを認識していない
スタートアップやベンチャー企業では取引先を分散させることは難しいかもしれません。
そうであれば、利益ばかりに気を取られていないで、現金残高を気にかけるようにしましょう。
毎月現金の定点観測を行うべし
現金残高がゼロになるのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。
答えは簡単です。
毎月、現金残高の定点観測を行う事です。
現金残高を毎月チェックすることで、前月よりも現金残高が増加した、減少したという事実を把握することができます。
利益をチェックすることも当然重要なことですが、現金残高がゼロになってしまっては元も子もありません。ということで、まずチェックすべきは現金残高ということになります。
毎月現金残高を確認することで、増加要因や減少要因を確認することもでき、上手に現金を利用することができるようになります。
現金は突然はなくならない
現金残高の定点観測ということからも、お気付きかもしれませんが、現金は突然はなくなりません。
もちろん、大きな買い物をしたりすれば話は別ですが、基本的に利益がでているのであれば一気に現金残高が減少することはないはずです。
現金残高が毎月減少しているのであれば、会社のどこかに不備が生じていることにも気がつけます。そう、致命的なダメージになる前に何かしらの対策を講じることができるのです。
現金預金に余裕を持った経営が望ましい
平時であれば、現金残高は突然ゼロになることはありません。
しかし、リーマンショックや大恐慌等の景気変動はいつ発生するかわかりません。
大不況になってしまったら金融機関から融資を勝ち取ることも難しくなります。
いつ景気変動が生じるか不確定な世の中でビジネスを行うには、手元現金を余裕をもって用意しておくに越したことはありません。
現金があれば、即倒産という最悪の事態は免れることができるので、時間稼ぎをすることができるのです。
金融機関からの借り入れをすると、利息を支払わなければなりません。
この利息を無駄なお金だと思うのか、余裕を持った経営をするための保険料と考えるのか、経営者の考え方が色濃く出る部分ですが、個人的には利息を支払ってでも現金に余裕を持たせた経営を行うのが望ましいと思います。
まとめ
現金があれば倒産しません。
逆に現金がなければ黒字でも倒産します。
ベンチャー企業やスタートアップ企業は特に資金繰りに気を付けるようにしてください。
世の中にたくさん存在している中小企業でさえも資金繰りに苦慮しています。現金がゼロになったら身動きが取れないことを肝に銘じながら事業を運営してください。
澤田公認会計士・税理士事務所では資金繰り表の作成や事業計画書作成サポートも行っております。気になる方は一度ご連絡ください。
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