こんにちは。名古屋池下の公認会計士・税理士の澤田です。
中小企業M&Aが急増しています。急増している理由を検討してみます。
M&Aによるメリット
後継者問題の解決
第三者に株式を売却することで、会社の経営権を引継ぐことが可能です。親族内承継、従業員承継が難しい場合の唯一の後継者問題の解決方法です(IPOおよび清算廃業を除く)。
非上場株式の現金化
非上場株式はその名の通り、上場していないため市場がなく換金性に乏しいです。M&Aによって、非上場株式を現金に換金することが可能となります。
事業承継のためにM&Aを実行したオーナーは、株式を現金化したことで、その後の相続対策の選択肢が格段に増加します。
連帯保証からの解放
中小企業では借入金に経営者が連帯保証をしているケースがまだまだ多く見受けられます。M&Aを実行することで、株式の売却対価だけではなく、何億円という連帯保証からも解放されます。
ある企業はM&Aによる会社の売却を検討していましたが、同時期に銀行が社長の連帯保証を外したため、社長のM&A意欲がなくなったというケースもあります。
それほど連帯保証からの解放は威力があるのです。M&Aを実行すれば連帯保証からも当然ですが解消されます。従業員承継が難しい理由の1つがこの連帯保証を追う必要があることです。
一般的に買い手企業のほうが財務内容も良いので、買い手企業が保証人になるか、無保証になるのかのいずれかのケースが一般的です。
後継者候補を幅広く外部に求めることができます。
親族内、従業員承継であれば、普段の生活圏内から後継者候補を探すことになります。
M&Aによる事業承継は後継者候補を全国から探すことが可能です。もちろん、同一県内や周辺地域が良い、近隣は嫌だといった要望に沿った相手探しがM&Aであれば可能です。
シナジー効果
売り手企業の持つ特徴に惹かれて、買い手企業は多額の資金を投資します。
買い手は売り手企業と一緒に仕事をすることでシナジー効果が見込めるからこそM&Aをするのです。
財務内容の優良な買い手企業と売り手企業がシナジーを創出することで、売り手企業はさらに良い企業へと進化を遂げることが可能になります。
社員の雇用維持
事業承継型のM&Aでは従業員の雇用を最低1年間は守るよう契約書に謳うことが多いです。
従来のM&Aはマネーゲーム、身売り、冷たいなどの固く冷たい印象で、従業員からすると、リストラされるのではないか、給与をカットされるのではないかといった不安を増長させるものでした。
仮に、買い手企業がリストラを決行し、売り手企業の従業員がいなくなってしまったら、当然会社は回らなくなります。すると、買収段階で想定していた通りに経営ができなくなり、買い手企業も損失を被ることになり本末転倒です。
従業員が安心してこれからも働けるのかという売主及び従業員の不安を排除するためにも、従業員の雇用維持に努めるといった内容を契約書に織り込むことが一般的です。
注意点
事業承継全般に該当することだが、時間がかかる
相手探し、買収希望企業内での決議、買収監査を経てやっと契約にたどり着きます。
会社を売却したくなったから、今月中には売却完了しようと思っていても難しいのです。
余裕をもって相手探しをするためにも、事業承継は時間がかかるということを念頭においてM&Aアドバイザリー会社に相談することをお勧めいたします。
売却希望企業と買収希望企業の規模によっては、売却希望企業オーナーの連帯保証を外すことができない場合がある
あまり多くない事例ですが、稀に、売り手経営者の連帯保証を外すことができないケースがでてきます。
このようなケースでは、金融機関と粘り強く交渉することになります(連帯保証の解除ができなければM&Aが成立しないという条項が契約書に織り込まれているケースが多いためです)。
買収希望企業はファイナンスの話をすると同時に、売り手企業の連帯保証の解除を検討中の旨を金融機関に打診することが必要です。
まとめ
後継者不在であることは、経営者ご自身が最も把握しているはずです。一方で、事業承継は時間がかかるという事実を把握している経営者は多くありません(皆さんすぐにできると考えています)。
自分の引退時期を考えるのは後回しにしたくなりますが、家族、従業員、取引先のことを考えると事業承継に早めに取り組むことで周囲の方々を安心させることが可能です。
事業承継は時間がかかると割り切り、早めの準備をお勧めいたします。
愛知県名古屋市を中心に活動している池下・覚王山の公認会計士・税理士澤田憲幸です。
中小企業のM&A、事業承継、スタートアップ支援を得意としています。
創業間もないベンチャー企業やフリーランスの方のサポートに特に力をいれています。
【主な業務内容】
・スタートアップ支援
・事業承継対策
・M&Aサービス
・税務顧問業務
・スポット対応
・個別コンサルティング業務
◇メール、チャットワーク対応がメインの顧問契約「コスト重視プラン」始めました。
このような方がコスト重視プランの対象です
・毎日忙しく、税理士と面談する時間がない
・直接会って面談するよりも、メールやチャットで気軽に質問できるほうが望ましい
・別に税理士には会わなくていいので安くしてほしい
といった要望にお応えし、コスト重視プランを始めました。
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起業支援、事業承継対策、中小企業のM&Aや組織再編を得意としています。
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